決算対策でやってはいけないこと

「決算まで1か月。何か落とせるものはないか」。「知り合いの会社は在庫を調整していると言っていた」――決算直前のご相談では、この2つがよく出てきます。

前者は正当な検討です。後者は、その場で止めます。決算対策には、制度として認められた打ち手と、税務調査で否認されるもの、そして脱税に当たるものが混在しています。境目は、実態があるかどうかの1点です。

税理士法人Light UPでは、対策の是非を検討する前に、それが調査で説明できるかを確認しています。説明できないものは、その時点で選択肢から外します。追徴されたときの負担は、減らせたはずの税額を必ず上回るからです。

この記事では、避けるべき対策を類型ごとに整理し、なぜ否認されるのか、発覚したときに何が起きるのか、そして正しい対策との境目がどこにあるのかを説明します。

否認されたときに失うもの

結論: 否認されると、本来の税額に加えて加算税と延滞税が課されます。悪質と判断されれば重加算税となり、その後の調査の頻度にも影響します。

加算税は種類によって重さが違う

過少申告加算税は、追加で納める税額に対して原則10%、一定の金額を超える部分については15%が課されます。仮装や隠蔽があったと判断されると重加算税となり、割合は35%、無申告の場合は40%に上がります。

さらに令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来するものについては、調査で帳簿の提示等を求められて応じなかった場合や、帳簿への売上金額の記載が本来の2分の1未満だった場合に、10%が加重される措置が設けられました。3分の2未満の場合は5%の加重です。

種類 課される場面 割合
過少申告加算税 申告額が少なかった場合 原則10%(一定の金額を超える部分は15%)
無申告加算税 期限内に申告しなかった場合 金額に応じて段階的に上がる
重加算税 仮装または隠蔽があった場合 35%(無申告は40%)
延滞税 納付が遅れた期間 日数に応じて計算(2か月経過後は割合が上がる)

減らした税額より負担が大きくなり、一度指摘されると次がある

100万円の税負担を減らすために架空の経費を計上し、後から否認されたとします。本税100万円に重加算税35万円、さらに延滞税が加わります。減らせた金額より、失う金額のほうが大きくなる構造です。

金額の話だけで終わらないのが、この種の指摘です。

仮装や隠蔽が認定されると、その後の調査で見られる目が変わります。数年おきに来る調査のたびに、同じ論点を確認されることになります。

実態のない経費

結論: 支払いの事実がない、あるいは事業との関連がない支出を経費にすることは、対策ではなく仮装隠蔽に当たります。

架空の外注費と、私的な支出の混入

請求書だけを作って支払いを装う、あるいは実際には受けていない役務について請求書を出してもらう。いずれも典型的な重加算税の対象です。

外注先の申告内容と突き合わせれば、すぐに分かります。相手が売上に計上していなければ、その時点で説明が立ちません。

家族旅行を視察名目で計上する、個人的な買い物を消耗品費にする。金額が小さくても、複数見つかれば意図的と判断されます。

税務調査では、支出の相手先と時期、そして事業との関係を尋ねられます。答えられない支出が並んでいると、他の項目まで疑われます。

領収書の使い回しと改ざん

日付を書き換える、同じ領収書を2回計上する。会計データと原始資料を突き合わせれば判明します。仮装として扱われる典型例です。

原始資料と会計データを突き合わせる作業は、調査の基本です。日付、金額、相手先の3つが一致するかを1件ずつ見ていくため、同じ領収書が2回出てくれば必ず見つかります。金額の大小にかかわらず、仮装として扱われる性質のものです。

期ずれの操作

結論: 売上や費用の計上時期は、取引の実態で決まります。税負担を調整する目的で時期を動かすことはできません。

売上の繰り延べと、棚卸資産の除外

決算日直前に引き渡した商品の売上を、翌期に回す。出荷の記録、納品書、相手方の検収の記録が残っていますので、突き合わせれば分かります。

期末数日間の売上は、調査で必ず確認される場所です。

在庫を実際より少なく計上すれば、売上原価が増えて利益が減ります。しかし、翌期には同じ商品が売れますので、粗利率が不自然に動きます。数期分の推移を見れば、どこで操作したかが浮かびます。

仕入と売上の対応が崩れるため、隠し通せる性質のものではありません。

費用の前倒しと、短期前払費用の要件

翌期の費用を今期に計上する。これも計上時期の操作です。ただし、短期前払費用のように、要件を満たせば支払時点で損金にできる制度もあります。

支払った日から1年以内に役務の提供を受けるものであること、継続して同じ処理をしていることが要件です。今期だけ年払いに変えて、翌期は月払いに戻すという使い方は認められません。

また、収益と対応させる必要がある費用には使えません。仕入や外注費のように売上と直接ひも付くものは対象外です。

形だけの取引

結論: 契約書があっても、実態が伴っていなければ否認されます。勤務、使用、役務の提供が実際にあるかどうかが判断の軸です。

勤務実態のない家族への給与と、実態のない地代家賃

名前だけを役員や従業員に載せ、給与を支払う。勤務の記録がなく、業務の内容を説明できない場合、給与として認められません。

出勤簿、業務の指示、成果物。何か一つでも残っているかどうかが分かれ目になります。実際に働いているのであれば、その記録を残すことが防御になります。

自宅の一部を事務所として会社に貸す形自体は、要件を満たせば認められます。ただし、実際に事業で使っている面積の割合を超えて計上したり、使っていない物件について賃料を払ったりすると否認されます。

名義だけの外注

従業員として働いている人を、外注扱いにして消費税の仕入税額控除を取る。指揮命令の実態があれば給与と判断され、源泉徴収漏れと消費税の否認が同時に起きます。

判断の基準は、代替性があるか、時間的な拘束を受けているか、材料や用具を誰が用意しているかなどです。契約書の表題では決まりません。

判断が分かれるときは、国税庁が示している消費税の給与と外注費の区分の考え方を手がかりにします。契約の形ではなく、実際の働き方で判定するという整理です。既存の取引でも、働き方が変わっていれば区分を見直す必要があります。

決算対策の判断に迷っていませんか。実際の数字を見ながらお答えします。初回のご相談は無料です。

制度の要件を外す

結論: 正当な制度でも、要件を1つ欠けば適用できません。決算賞与、役員退職金、少額減価償却資産の特例は、とくに要件の確認が必要です。

要件を1つ欠くと使えない制度
01
決算賞与
各人別の通知、1か月以内の支払い、通知した期での損金経理。3つとも要る
02
役員退職金
在任期間と功績に見合う水準か。不相当に高額な部分は損金にならない
03
少額減価償却資産の特例
年300万円の上限と、対象になる法人の範囲
04
保険
支払った保険料が全額費用になるとは限らない。契約の内容で扱いが変わる

決算賞与の3要件

未払いのまま当期の損金にするには、支給額を各人別に、かつ同時期に支給を受けるすべての使用人に通知していること、通知した金額を翌期首から1か月以内に支払っていること、通知した事業年度に損金経理していることの3つが必要です。

通知の記録がない、支払いが1か月を過ぎた、支給日に在籍していることを条件にしていた。いずれも否認の理由になります。

役員退職金の水準

支給すること自体は問題ありませんが、不相当に高額な部分は損金になりません。水準は、功績倍率・在任年数・最終報酬月額から見て説明できる範囲に収まっている必要があります。

また、退任したのに実質的に経営を続けている場合、退職の事実そのものが否認されることがあります。

水準を検討するときは、同業・同規模の会社の事例と、自社の役員報酬の推移を並べておきます。功績倍率だけを持ち出しても、報酬の水準そのものが低ければ計算の土台が変わります。支給を決める前に、根拠を書面にしておくことです。

少額減価償却資産の枠

令和8年度税制改正で、中小企業者等の少額減価償却資産の特例は取得価額40万円未満に引き上げられました。ただし、その事業年度に損金にできる合計額は年300万円までという上限は変わりません。

枠を超えた分は通常の減価償却になります。決算直前にまとめて購入する場合、この上限を超えていないかどうかが問題になります。

保険の扱い

保険料の損金算入は、契約の内容によって取扱いが分かれます。かつてのような全額損金の商品は制限されており、返戻率に応じた区分が定められています。

節税を目的に加入すると、解約時の返戻金が益金になり、そのときに受け皿がなければ課税されます。先送りにしかならない点を踏まえたうえでの検討になります。

検討の順序は、保障として必要かどうかが先です。必要な保障であれば、損金になる割合は結果として付いてくるものと考えます。解約する年に受け皿となる損金があるかまで含めて、出口を決めてから入ることです。

資金を減らすだけの対策

結論: 税負担は減っても、支出した金額のほうが大きければ手元の資金は減ります。税率が3割なら、100万円使って減る税金は30万円です。この差を理解せずに実行すると、資金繰りを痛めます。

100万円を支出したときに何が起きるか
決算直前に100万円を使う
減る税金
税率が3割なら、およそ30万円
出ていく現金
100万円。差の70万円は手元から消える
必要な支出なら
いずれ買うものを当期に寄せただけで、損はしていない
必要でない支出なら
税金は減るが資金は減る。翌期の資金繰りに響く

不要な備品の駆け込み購入と、過大な保険加入

100万円の備品を買えば、税率が3割として30万円の税負担が減ります。ただし、出ていくのは100万円です。差し引き70万円の資金が失われます。

必要な設備を前倒しで買うのは対策ですが、使わないものを買うのは単なる浪費です。

毎月の保険料が資金繰りを圧迫し、数年後に解約せざるを得なくなる。解約返戻金は益金ですので、そのときに利益が出ます。加入時の判断が、数年後の負担を作ります。

決算直前の大量仕入れ

期末に仕入れても、売れ残れば棚卸資産として資産計上されます。損金になりません。仕入を増やせば利益が減ると考えているなら、それは誤りです。

同じことは、原材料や消耗品のまとめ買いにも当てはまります。期末に在庫として残るものは資産です。損金になるのは、売れた分と使った分だけという原則を外れません。仕入を増やして利益を減らすという発想そのものが成り立たない領域です。

税務調査で見られる場所

結論: 決算対策として動かした項目は、そのまま調査で確認される項目です。どこを見られるかを知っておけば、実行前に判断できます。

動かした項目は、そのまま見られる項目
01
期末前後の売上
出荷と検収の日付。翌期に回っていないか
02
棚卸資産
実地の数量と帳簿が合っているか。除却の記録があるか
03
外注費と交際費
実際の作業内容と支払先。書類が残っているか
04
役員と家族への支払い
勤務の実態と、金額の相当性

期末前後の売上と、棚卸資産

決算日の前後2週間から1か月の取引を、納品書や請求書と突き合わせて確認されます。売上の計上時期が実態とずれていないか、翌期に回した取引がないかを見る場面です。

得意先への確認が行われることもあります。相手方の帳簿と食い違えば、そこで判明します。

実地棚卸の記録、集計表、単価の根拠が確認されます。前期からの数量の動きと、仕入や売上の量が整合しているかも見られます。

除外や単価の切り下げは、粗利率の推移に必ず表れます。

外注費と交際費、役員と家族への支払い

外注費については、相手先の実在、契約の内容、支払いの事実、そして給与に該当しないかが確認されます。交際費については、相手先と目的が記録されているかです。

参加者の名前が書かれていない飲食の領収書が並んでいると、業務との関係を説明できません。

役員報酬の改定時期、議事録の有無、家族への給与の勤務実態、役員貸付金の状況。決算対策として動かしていなくても、必ず見られる項目です。

他社の話をそのまま持ち込まない

結論: 同業者から聞いた対策が自社に当てはまるとは限りません。業種、規模、資本構成、過去の申告内容によって、使える制度も判断も変わります。

相談の場でよく聞くのが、知り合いの経営者から聞いた話です。多くの場合、その方の会社では要件を満たしていて、自社では満たしていない、という違いがあります。

たとえば、少額減価償却資産の特例は中小企業者等に限られ、常時使用する従業員数の要件もあります。役員社宅は、物件の規模によって計算方法が変わります。同じ制度名でも、条件が違えば結果は変わります。

また、話が伝わる過程で要件が抜け落ちることもあります。決算賞与は3つの要件を満たして初めて未払計上ができますが、通知の話だけが伝わっていることがあります。

聞いた話は、検討のきっかけとしては有益です。ただし、そのまま実行する前に、自社で要件を確かめる手順が要ります。

正しい対策との境目

結論: 境目は、事業に必要かどうかと、実態を説明できるかどうかの2点です。制度の名前ではなく、この2点で判断します。

同じ支出でも、事業に必要なものを適切な時期に行えば正当な対策になり、税負担を減らすためだけに作れば否認の対象になります。役員社宅も、出張旅費規程も、経営セーフティ共済も、要件を満たして実態が伴っていれば問題ありません。

判断に迷ったときの物差しは、調査官に説明する場面です。なぜその支出をしたのか、事業にどう関係するのか。3行で説明できないものは、やめておくほうが安全です。

決算日を過ぎるとできないこと

結論: 決算対策には期限のあるものが多く、決算日を過ぎてから相談を受けても手の打ちようがありません。逆算して動く必要があります。

期限は決算日より前にある
1

期首から3か月以内
役員報酬の改定。ここを過ぎると1年動かせない
2

決算日まで
決算賞与の通知、棚卸、契約の締結、資産を事業に使い始めること
3

決算日の翌日から1か月以内
決算賞与の支払い
4

決算後から申告期限まで
制度の適用漏れの確認。新たに費用を作ることはできない

決算日までに済ませるものと、期首から3か月以内に決めるもの

決算賞与の通知、不要な資産の除却、回収不能な債権の確認、棚卸の実施。いずれも決算日までに行った事実が必要です。書類の日付だけを遡らせることはできません。

決算日という区切りとは別に、期首に締切があるものもあります。

役員報酬の改定は、会計期間開始の日から3か月を経過する日までに行います。この期限を過ぎた改定は、増額分が損金にならない扱いになります。

決算後にできること

決算日を過ぎてからできるのは、事実の確認と正しい申告だけです。ここで数字を動かそうとすると、必ず無理が出ます。

だからこそ、決算の2か月から3か月前に着地の見込みを立てておくことをお勧めしています。数字が見えていれば、正当な対策を選ぶ時間があります。

着地の見込みは、精度より早さです。数百万円の幅で分かっていれば、対策の規模は決められます。月次の試算表が翌月中に出る体制になっていれば、この見込みは自然に立ちます。

気づいたときにできること

結論: 過去の決算に誤りが見つかった場合、税務調査の通知を受ける前に自主的な修正申告を行えば、加算税の扱いが軽くなります。放置して指摘を受けるのが最も重い結果になります。

誤りに気づいたとき
過去の決算に誤りが見つかった
調査の通知を受ける前
自主的に修正申告すれば、過少申告加算税は課されない
通知後、更正を予知する前
割合は下がるが、加算税は課される
指摘を受けてから
原則の割合。放置がいちばん重い結果になる
どこまで直すか
更正の請求ができる期間と、修正が必要な期を切り分ける

自主的な修正が有利。過去の分をどこまで直すか

調査の通知を受ける前に自主的に修正申告をすれば、過少申告加算税は課されません。通知を受けた後、調査による更正を予知する前であれば、割合が軽減されます。

放置して調査で指摘されるのが、最も重い扱いになります。

修正の範囲は、誤りの内容と期間によります。同じ処理を何期も続けている場合、遡って直すことになるため、影響額の把握が先になります。

相談の順序

まず税理士に事実関係を伝え、影響額を試算します。そのうえで、修正申告の時期と資金の手当てを決めます。隠したまま次の決算を迎えると、傷が深くなります。

伝えるときは、都合の悪い部分から先に出すほうが早く終わります。事実が全部そろって初めて、影響額の試算も修正の範囲も決まります。小出しにすると、そのたびに前提が変わり、判断がやり直しになります。

調査の連絡が来たとき

結論: 事前通知を受けたら、対象期間の資料を揃え、過去の処理を自社で確認します。慌てて資料を作り直すことは、かえって不利になります。

調査の連絡が来たとき
1

通知の内容を控える
日時、場所、税目、対象期間、帳簿書類、調査官の氏名
2

対象期間の資料をそろえる
帳簿、証憑、通帳。あるものをそのまま出す
3

過去の処理を自社で確認する
説明が必要になりそうな箇所を先に洗う
4

資料を作り直さない
慌てて整えると、かえって不利になる

事前通知の内容と、準備するもの

原則として、調査の日時、場所、対象となる税目と期間、目的などが事前に通知されます。顧問税理士がいる場合、税理士へ通知が行くこともあります。

通知を受けたら、そこから準備の時間が始まります。

総勘定元帳、請求書と領収書、契約書、議事録、給与関係の資料。対象期間の原始資料を揃えます。探すのに時間がかかる資料は、通知を受けた時点で動き出さないと間に合いません。

答え方の姿勢

分からないことをその場で推測して答える必要はありません。確認して後日回答する、で構いません。誤った説明をすると、後から訂正するときに信用を損ないます。

事実は隠さず、想像は語らない。この2つを守れば、調査は淡々と進みます。

答えられない質問は、その場で持ち帰って構いません。資料を確認したうえで回答すると伝えれば足ります。顧問税理士が同席していれば、税務の判断に関わる部分はそちらに振るのが自然です。

相談事例|決算直前の4つの場面

結論: 相談の現場で多いのは、他社から聞いた方法をそのまま持ち込もうとするケースです。

在庫を減らそうとした卸売業の方。 期末の棚卸で実際より少なく計上する案が社内で出ていました。翌期の粗利率が跳ね上がることを説明し、取りやめています。代わりに、実際に不良化していた在庫の評価損を検討しました。

家族に給与を出したいという建設業の方。 配偶者に月20万円を支払う案でしたが、業務の実体がありませんでした。経理事務を実際に担当してもらう形に変え、業務の記録を残す運用にしています。

「決算前に車を買えばいいと言われた」――サービス業の方からのご相談です。事業に必要な車両であれば問題ありませんが、購入時期が期末だと、その期に計上できる減価償却費はわずかです。効果を誤解されていました。

保険で利益を圧縮していた製造業の方。 数年前に加入した保険の解約時期が近づいており、返戻金が益金になる状態でした。受け皿として退職金の支給時期を合わせる方向で検討しています。

よくある質問

節税と脱税の違いはどこにありますか?
制度の要件を満たして行う税負担の軽減が節税、事実と異なる処理で税を免れる行為が脱税です。実態があるかどうかが分かれ目になります。
決算直前に備品を買うのは問題ですか?
事業に必要なものであれば問題ありません。ただし、取得の時期が期末に近いほど、その期に計上できる減価償却費は少なくなります。少額減価償却資産の特例を使う場合も、年300万円の上限があります。
否認されると、どのくらいの負担になりますか?
本税に加えて、過少申告加算税は原則10%、一定の金額を超える部分は15%です。仮装隠蔽と判断されると重加算税となり35%、無申告の場合は40%になります。これに延滞税が加わります。
税務調査ではどこを見られますか?
期末前後の売上と仕入、在庫、外注費、役員や家族への支払い、交際費などです。決算対策として動かした項目は、そのまま確認の対象になります。
過去の決算に誤りが見つかったらどうすればよいですか?
調査の通知を受ける前に自主的に修正申告を行えば、過少申告加算税は課されません。気づいた時点で税理士に相談してください。
対策を実行する前に確認したほうがよいですか?
金額が大きいものや、要件が細かい制度を使うものは、実行前の確認をお勧めします。実行してから相談を受けても、戻せないことがあります。

まとめ:3行で説明できないなら、やめておく

決算対策で避けるべきものは、実態のない経費、期ずれの操作、形だけの取引、制度の要件を外した適用、そして資金を減らすだけの支出です。共通しているのは、事業の実態から離れている点です。

否認されたときの負担は、減らせたはずの税額を上回ります。過少申告加算税は原則10%、仮装隠蔽と判断されれば重加算税35%。令和6年1月からは、帳簿の提示に応じない場合などの加重措置も加わりました。

判断の基準はひとつです。なぜその支出をしたのかを、調査の場で3行で説明できるかどうか。説明できるなら実行してよく、詰まるならやめるべきです。制度の名前が正当かどうかではなく、自社の事情に照らして必要かどうかで決まります。

すでに実行してしまったものがあるなら、放置しないことです。調査の通知を受ける前に自主的に修正すれば、扱いは変わります。

決算前に検討している対策が問題ないか確認したい方は、税理士法人Light UPの無料相談をご利用ください。試算表と検討中の内容をお持ちいただければ、実行前に判断できます。

決算対策のご相談は初回無料です。実際の数字を見ながら、自社の場合はどうなるかをそのままお話しできます。

出典

  • 国税通則法(過少申告加算税・無申告加算税・重加算税)
  • 国税庁「売上げに関する帳簿を作成・保存していない事業者の方は加算税が重くなります」(令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来するもの)
  • 国税庁「法人税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)」
  • 財務省「令和8年度税制改正の大綱」(少額減価償却資産の特例)

【メタディスクリプション】
決算対策で避けるべきものを類型ごとに整理しました。実態のない経費、期ずれ操作、形だけの取引、制度の要件を外した適用が否認される理由と、加算税の負担、正しい対策との境目、気づいたときの修正申告まで解説します。

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