決算書の見方|経営者が確認すべきポイント

「毎年もらってはいるが、正直どこを見ればいいのか分かっていない」。「銀行から自己資本比率の話をされたが、うまく答えられなかった」――決算書について、経営者からよく出てくるのはこの2つです。

決算書で最初に見るべきは、営業利益と純資産、そして税引後利益に減価償却費を足した金額です。この3つで、本業で稼げているか、財務が痛んでいないか、借入を返せる力があるかが分かります。専門的な分析はその先の話で、まずはこの3点で十分です。

税理士法人Light UPでは、決算書を渡して終わりにしないことを大切にしています。数字を並べるだけでは経営判断につながりません。この数字がどうなると何が起きるのか、というところまで含めて説明するのが、私たちの役目だと考えています。

この記事では、3つの書類の役割から、損益計算書の5つの利益、貸借対照表の3つのブロック、見落とされやすい勘定科目、金融機関の見方、利益と現金がずれる理由までを順に整理します。

決算書は誰のための書類か

結論: 決算書は税務署に出すためだけの書類ではありません。金融機関、取引先、そして経営者自身という3者が、それぞれの目的で読む資料です。

読み手によって見る場所が違う

税務署が見るのは、課税所得が正しく計算されているかです。金融機関が見るのは、貸した資金が返ってくるかどうか。取引先が見るのは、支払能力があるかどうかです。

そして経営者が見るべきは、来期どこに手を打つかの材料です。同じ書類でも、目的が違えば注目する場所も変わります。作ってもらった書類を眺めるだけでは、この4番目の使い方ができません。

数字は結果であって原因ではない

決算書に出てくるのは、1年間の意思決定の結果です。人を増やした、値上げをした、設備を入れた。その判断が数字にどう表れたかを確認する作業が、決算書を読むということだと考えています。

だからこそ、決算書を読む作業は前期との比較になります。何を決めた期だったかを思い出しながら、その判断が数字のどこに出たかを確かめる。この往復ができると、来期に何を変えるかも自然に見えてきます。

3つの書類の役割

結論: 決算書は損益計算書、貸借対照表、キャッシュフローの3つの視点で構成され、それぞれ期間、時点、資金の動きという異なるものを表します。

書類 表しているもの 例えるなら
損益計算書 1年間にいくら稼いだか 1年間の成績表
貸借対照表 決算日時点で何をどれだけ持っているか 決算日の写真
キャッシュフロー計算書 現金がどう増減したか 通帳の動きの要約

損益計算書は期間の記録、貸借対照表は一時点の断面

4月1日から3月31日までの間に、いくら売り、いくら使い、いくら残ったか。期間を区切った記録です。

期間と時点、どちらの見方もそろって初めて会社の姿がつかめます。

3月31日の時点で、現金がいくらあり、借入がいくら残り、これまでの利益の蓄積がいくらか。決算日という瞬間を切り取った写真に近いものです。前期の写真と並べて初めて、動きが見えます。

キャッシュフロー計算書は中小企業では任意

上場企業には作成が義務づけられていますが、中小企業では作っていない会社が大半です。ただ、利益と現金がずれる会社ほど必要になります。作らない場合でも、貸借対照表の現預金の増減と、その理由は毎期押さえておく必要があります。

確認の方法は、前期と当期の貸借対照表を並べて現預金の差額を出し、その差がどこから生まれたかを追うだけです。売掛金が増えたのか、借入を返したのか、設備を買ったのか。3つのどれかで説明がつくことがほとんどです。

損益計算書|5つの利益を順に見る

結論: 損益計算書には5つの利益が並んでおり、上から順に見ることで、どの段階で利益が失われているかが分かります。

5つの利益を上から順に見る
1

売上総利益
売上高から売上原価を引いたもの。商品やサービスそのものの儲け
2

営業利益
そこから販売費及び一般管理費を引く。本業の儲け
3

経常利益
営業外の収益と費用を加減する。借入の利息はここ
4

税引前当期純利益
特別損益を加減する。臨時のものはここに出る
5

当期純利益
法人税等を引いた残り。純資産に積み上がる

売上総利益(粗利)と営業利益

売上高から売上原価を引いたものです。商品やサービスそのものの利幅を表します。前期と比べて粗利率が落ちていれば、値引きが増えたか、仕入や外注のコストが上がったかのどちらかです。

売上が伸びていても粗利率が落ちていれば、忙しくなっただけで実入りは増えていない、という状態になります。

粗利から販売費及び一般管理費を引いたものです。本業でどれだけ稼げたかを示します。役員報酬も人件費もこの中に入っていますから、営業利益が赤字なら本業の構造に問題があります。

最初に見る数字を1つだけ選ぶなら、ここです。

経常利益と税引前当期純利益

営業利益に、受取利息や支払利息などの本業以外の損益を加減したものです。借入が多い会社は、支払利息の分だけ営業利益より小さくなります。

経常利益に、その期だけの特別な損益を加減したものです。固定資産の売却益や、災害による損失などが入ります。前期と比べて大きく動いていたら、その中身を見ないまま先へは進めません。一時的な要因で利益が出ているだけ、という場合があります。

当期純利益

税金を引いた後、最終的に会社に残る利益です。この金額が、貸借対照表の繰越利益剰余金に積み上がっていきます。

この積み上がりが、貸借対照表の純資産を厚くしていきます。毎期の利益が小さくても、赤字を出さずに続けていれば純資産は増えます。逆に、1期の大きな赤字がそれまでの蓄積を削ることもあります。5つの利益を上から見た最後に、この行き先まで追っておくと、2つの書類がつながります。

貸借対照表|3つのブロックで見る

結論: 貸借対照表は資産、負債、純資産の3つに分かれ、純資産がプラスかどうかと、その中身が財務の健全性を表します。

貸借対照表は3つのブロックで見る
決算日の一時点の断面
資産
資金が何に姿を変えているか。1年以内に現金になるものが流動資産
負債
返す必要があるもの。1年以内に返すものが流動負債
純資産
資産から負債を引いた残り。マイナスなら債務超過
自己資本比率
純資産が総資産に占める割合。財務の厚みを表す

左と右の意味、流動と固定の区分

左側の資産は、資金が何に姿を変えているかを示します。右側の負債と純資産は、その資金をどこから調達したかを示します。左右の合計が必ず一致するのは、同じものを別の角度から見ているためです。

1年以内に現金化される、あるいは支払期限が来るものが流動、それより長いものが固定です。流動資産が流動負債を下回っている状態は、1年以内に出ていく資金のほうが多いことを意味します。ここは真っ先に見る場所です。

なお、本業の営業サイクルの中で生まれた売掛金や買掛金は、回収や支払いに1年以上かかるものでも流動に入ります。1年で切るのは、あくまで営業サイクルの外にあるものです。

自己資本比率

純資産を総資産で割った比率です。純資産が3,000万円、総資産が1億円なら30パーセントになります。借入に頼らずに事業を回せているかの目安で、高いほど安定します。

ただし、業種によって水準は大きく違います。設備を多く抱える業種と、身軽に運営できる業種を同じ物差しで比べても意味がありません。他社と比べるより、自社の推移を見るほうが有益です。

純資産がマイナスの状態

負債が資産を上回っている状態を債務超過といいます。この状態になると、新規の融資は極めて難しくなります。

ただし、その原因が役員からの借入である場合、金融機関はこれを実質的な自己資本と見ることがあります。返済を求められない性質の資金だからです。債務超過だからもう終わりだ、と判断する前に、中身を見る必要があります。

決算対策の判断に迷っていませんか。実際の数字を見ながらお答えします。初回のご相談は無料です。

決算書と一緒に作られる書類

結論: 決算書には勘定科目内訳明細書と法人事業概況説明書が付属し、金融機関や税務署はこちらから実態を読み取ります。本体だけを見ていると、相手が見ているものを見ていないことになります。

勘定科目内訳明細書

売掛金や買掛金、借入金などの中身を、相手先ごとに一覧にした書類です。誰にいくら売って回収できていないか、どの金融機関からいくら借りているかが並びます。

金融機関が実質的な評価をする際、この明細を見ます。同じ取引先の売掛金が何期も同じ金額で残っていれば、回収できていないと判断されます。決算書本体では見えない情報が、ここに出ています。

法人事業概況説明書、株主資本等変動計算書、個別注記表

事業内容、従業員数、主要な取引先、月別の売上と仕入、代表者への報酬などを記載して税務署へ提出する書類です。1枚に会社の輪郭がまとまっています。

月別の売上が記載されるため、季節変動や特定月への偏りが分かります。税務調査の際にも参照される書類です。

純資産がどう動いたかを示します。当期純利益による増加、配当による減少、増資などが表れます。

会計方針や重要な後発事象などを記載します。中小企業では定型的な記載にとどまることが多いものの、会計方針を変更した期には、その内容がここに出ます。

減価償却をしない選択の影響

結論: 法人税法上、中小企業の減価償却は任意ですが、償却をしなかった期があると、金融機関は償却不足を修正したうえで利益を評価します。

償却しない年を作れるが、金融機関は修正して見る

税務上、減価償却費は限度額までの範囲で自由に決められます。赤字を避けるために償却を見送る、という選択が制度上は可能です。

制度上できることと、読み手にどう映るかは別です。

ただし、本来計上すべき償却費を引いた後の利益で評価されます。償却を止めて黒字にした決算書は、実質では赤字と判定されることになります。数字を作った形跡があると受け取られ、かえって信頼を損ないます。

先送りは消えない

償却しなかった分は、資産として残り続けます。将来の期に費用として出てくるだけで、負担が消えるわけではありません。目先の1期をしのぐために先送りすると、翌期以降の利益がその分だけ圧迫されます。

止めた分がどれだけ積み上がっているかは、申告書の別表十六で確認できます。償却不足額が数期にわたって累積している状態であれば、実質の利益はその分だけ小さいということです。決算書を受け取ったら、この欄も見ておくことです。

見落とされやすい4つの勘定科目

結論: 役員貸付金、仮払金、長期滞留している売掛金、動いていない棚卸資産の4つは、金額が小さくても評価に影響します。

金額が小さくても評価に影響する4つ
01
役員貸付金
会社から役員への貸付け。金融機関は資産から除いて評価する
02
仮払金
中身が説明できないと、同じく資産から除かれる
03
長期滞留の売掛金
回収できていない期間が長いもの。実質的に資産ではない
04
動いていない棚卸資産
何期も残っている在庫。金額が大きいと利益の見方が変わる

役員貸付金

会社から社長個人へ資金が出ている状態です。金融機関からは、事業に使われない資金があると見られます。融資の場面では、この科目があるだけで説明を求められます。

生活費の立て替えが積み上がった結果であることが多く、放置すると年々増えます。役員報酬の水準を見直して、少しずつ返済する計画を立てるのが基本の対応です。

仮払金と、長期滞留の売掛金

内容が確定していない支出です。決算までに精算されていない仮払金が残っていると、経費として認められない可能性があるほか、実態が分からない資産として扱われます。

回収できていない売掛金が資産として残り続けると、実態より資産が大きく見えます。金融機関は、回収可能性の低い債権を資産から差し引いて評価します。

回収の見込みがないものは、要件を満たせば貸倒処理を検討します。

動いていない棚卸資産

売れ残った在庫が資産として計上され続けている状態です。帳簿上は資産でも、実際には価値が落ちています。棚卸資産の残高が売上の伸びと比べて不自然に増えていないかどうかは、毎期見ておきたい点です。

確認の方法は、在庫の残高を月商で割った月数を出すことです。この月数が年々伸びていれば、売れていない在庫が積み上がっています。品目ごとに最後に出荷した日を見れば、どれが動いていないかもすぐ分かります。

金融機関はどこを見ているか

結論: 金融機関は、返済原資を示す簡易キャッシュフローと、それが年間の返済額を上回っているかを最も重視します。

金融機関がたどる順番
1

簡易キャッシュフローを出す
税引後の当期純利益に減価償却費を足す
2

年間返済額と比べる
上回っていれば、返済の原資が事業から出ている
3

債務償還年数を出す
有利子負債を簡易キャッシュフローで割る
4

実質で見直す
役員貸付金や不良債権を資産から除き、社長からの借入は資本に近い扱いにする

簡易キャッシュフローと、年間返済額との比較

税引後の当期純利益に減価償却費を足した金額です。減価償却費は現金の支出を伴わない費用のため、その分は手元に残っている、という考え方に基づきます。

税引後利益が300万円、減価償却費が200万円なら、簡易キャッシュフローは500万円です。

比較 意味
簡易キャッシュフロー > 年間返済額 事業から生まれた資金で返済できている
簡易キャッシュフロー < 年間返済額 不足分を手元資金の取り崩しや新規借入で埋めている

下の状態が続くと、借入で借入を返す構造になります。決算書を受け取ったら、まずこの2つの数字を並べることになります。

債務償還年数と、実質での評価

借入金の残高を簡易キャッシュフローで割った年数です。今の稼ぐ力で、あと何年で借入を返しきれるかを表します。10年以内が一つの目安とされることが多く、これを大きく超えると新規融資の判断が厳しくなります。

金融機関は、決算書の数字をそのまま使うとは限りません。回収の見込みが薄い売掛金、価値の落ちた在庫、役員貸付金などを資産から差し引いて、実質的な純資産を計算します。帳簿上は資産超過でも、実質では債務超過と判定されることがあります。

利益が出ているのに現金が増えない理由

結論: 利益と現金がずれる主な原因は、売掛金と在庫の増加、借入金の元本返済、設備投資の3つです。いずれも損益計算書には表れません。

利益が出ているのに現金が増えない
損益計算書には表れない資金の動き
売掛金が増えた
売れているが回収がまだ
在庫が増えた
仕入れた分が資産に載る。費用になるのは売れたとき
借入金の元本返済
費用ではないので損益計算書に出ない。現金だけ減る
設備投資
資産に載り、費用になるのは減価償却を通じて少しずつ

売掛金と在庫の増加、借入金の元本返済

売上が伸びると、入金前の売掛金と、それを支えるための在庫が同時に増えます。利益は出ているのに手元の現金が減るのは、この2つに資金が固定されているためです。成長している会社ほど資金が足りなくなるのは、これが理由です。

元本の返済は費用ではありません。利益から税金を払った後の資金で返します。年間600万円返済している会社は、税引後利益が600万円あって初めて、現金が減らない計算になります。

設備投資

購入した年に全額が費用になるわけではなく、耐用年数にわたって減価償却費として計上されます。現金は先に出ていき、費用は後から追いかけてくる形です。

この3つが重なると、利益が出ていても現預金は減ります。売上が伸びている年ほど重なりやすい組み合わせです。決算書を受け取ったら、現預金の増減額と当期純利益を並べ、その差がこの3つで説明できるかを見ておくことです。

3期分を並べて読む

結論: 決算書は1期だけを見ても判断できません。3期分を横に並べ、金額と比率の両方で増減を追うと、単年度では見えない傾向が出てきます。

金額の増減で見る、比率の推移で見る

売上高、粗利、営業利益、現預金、借入金残高、純資産。この6つを3期分並べるだけで、会社がどちらへ向かっているかが見えます。表計算ソフトに手で入力しても、30分あれば作れます。

金額の動きを押さえたら、次は割合で見ます。

粗利率、営業利益率、自己資本比率の3つを並べます。金額が伸びていても比率が落ちていれば、規模の拡大に中身が追いついていません。

動きの大きい科目を拾う

前期と比べて2割以上動いた科目には、必ず理由があります。増えた理由、減った理由を1つずつ言葉にしていきます。説明できない増減が残ったら、そこが確認すべき論点です。

対象となるのは、決算書本体の科目だけではありません。勘定科目内訳明細書に並ぶ取引先ごとの残高も、同じ見方で追えます。

説明できない増減が3つ以上残るようであれば、記帳の精度そのものを疑う場面です。科目の使い方が期によって変わっていると、推移が読めなくなります。

月次で見る習慣をつくる

結論: 決算書は年に一度の結果ですので、月次の試算表で途中経過を確認する体制があって初めて、打ち手が間に合います。

  1. 試算表を翌月中に出す。 精度より速さを優先します。2か月遅れの正確な数字より、1か月遅れの概算のほうが判断に使えます。
  2. 前年同月と比べる。 前月と比べても季節変動に振り回されます。比較の相手は前年同月です。
  3. 粗利率の変化を追う。 月次で最も早く異変が出るのが粗利率です。
  4. 資金繰り表と並べる。 試算表は損益、資金繰り表は現金。両方を並べて初めて全体が見えます。

決算のときだけ数字を見る運用では、気づいたときには打つ手が限られています。

金融機関へ渡すときの実務

結論: 決算書だけを渡すより、直近の試算表と資金繰りの見通しを添えたほうが、説明の精度が上がります。

金融機関へ渡すとき
1

一式でそろえる
決算書、勘定科目内訳明細書、法人事業概況説明書、申告書
2

直近の試算表を添える
決算からの経過を埋める。数か月前の数字だけでは判断できない
3

資金繰りの見通しを添える
向こう6か月から1年の入出金
4

動いた理由を先に説明する
大きく動いた科目は、聞かれる前に理由を出す

一式で揃え、決算からの経過を埋める

決算書本体、勘定科目内訳明細書、法人事業概況説明書、法人税の申告書。金融機関はこの一式で見ますので、部分的に渡すと確認のやりとりが増えます。

そろえたうえで、決算日から今日までの間を埋めます。決算書だけでは、いちばん知りたい直近の状況が分からないためです。

決算から数か月経っていれば、その後の状況を示す試算表を添えます。決算の数字が悪くても、直近が改善していれば、その事実を伝えられます。

数字が動いた理由を先に説明する

前期から大きく変わった科目については、聞かれる前に説明したほうが通ります。理由を用意していない状態で質問されると、答えが後付けに聞こえます。決算書を受け取った時点で、動きの大きい科目を洗い出しておく意味はここにあります。

用意しておくのは、動きの大きかった科目とその理由を並べた1枚のメモで足ります。書面にする必要はなく、口頭で説明できる形になっていれば十分です。

相談事例|決算書をめぐる4つの場面

結論: 相談の現場で多いのは、数字が読めないことよりも、読む機会が年1回しかないことによる遅れです。

黒字なのに資金が減っていた卸売業の方。 売上が前期比で3割伸び、利益も出ていましたが、現預金は減っていました。売掛金と在庫が大きく増えており、成長に資金が追いついていない状態でした。入金サイクルの交渉と、仕入の見直しに着手しています。

役員貸付金が積み上がっていた小売業の方。 融資の相談で金融機関から指摘され、初めて認識されました。10年かけて増えたものが数千万円になっていました。役員報酬の見直しと合わせて、返済計画を作っています。

「営業利益と経常利益の違いを説明できなかった」――サービス業の方からのご相談です。金融機関との面談で答えに詰まったことがきっかけでした。数字そのものは悪くなかったため、説明の準備だけで印象が変わっています。

在庫の評価が実態と離れていた製造業の方。 数年前の材料が帳簿に残ったままでした。実際には使えない状態で、資産として計上し続けていた形です。実態に合わせて処理し、あわせて棚卸の運用を見直しました。

よくある質問

決算書のどこから見ればよいですか?
営業利益、純資産、そして税引後利益に減価償却費を足した金額の3つです。本業の収益力、財務の厚み、返済の余力が、この3つで大づかみにできます。
自己資本比率はどのくらいあればよいですか?
業種によって適正な水準が異なるため、一律の基準はありません。他社と比べるより、自社の比率が上向いているか下向いているかを見るほうが判断に使えます。
黒字なのに資金が足りないのはなぜですか?
売掛金と在庫の増加、借入金の元本返済、設備投資の3つが主な原因です。いずれも損益計算書には費用として表れないため、利益と現金がずれます。
債務超過になったらもう融資は受けられませんか?
難しくはなりますが、内容によります。役員からの借入が原因である場合、金融機関がこれを実質的な自己資本と見ることがあります。解消の道筋を示せるかどうかが分かれ目です。
月次の試算表はどのくらいの速さで出すべきですか?
翌月中を目安にしてください。精度を上げるために遅くなるより、概算でも早く出して判断に使うほうが実務的です。
決算書は何年分を保存しておけばよいですか?
帳簿書類の保存期間は税法で定められていますが、実務では捨てずに残しておくことをお勧めします。金融機関との交渉や、事業承継の場面で過去の推移を求められることがあるためです。
決算書について税理士にどう質問すればよいですか?
前期と比べてどこが動いたか、その原因は何か、来期に手を打つならどこか。この3点を聞いてみてください。数字の説明だけでなく、経営判断につながる話になります。

まとめ:3つの数字から始めて、月次に広げる

決算書で最初に押さえるのは、営業利益、純資産、簡易キャッシュフロー(税引後利益+減価償却費)の3つです。本業で稼げているか、財務が痛んでいないか、借入を返す力があるか。この3点が分かれば、金融機関との会話も成り立ちます。

見落とされやすいのは、役員貸付金、仮払金、長期滞留の売掛金、動いていない在庫の4つです。金額が小さくても、実質的な評価では資産から差し引かれます。決算書を受け取ったら、この4科目に残高がないかを確認してください。

利益と現金がずれるのは異常ではありません。売掛金と在庫の増加、元本返済、設備投資という構造的な理由があります。ずれること自体より、その理由を説明できるかどうかが重要です。

やらないほうがよいことも1つ挙げておきます。他社の平均値と自社を比べて一喜一憂することです。業種も規模も資本構成も違う相手と比べるより、自社の3期分の推移を並べるほうが、はるかに多くのことが分かります。

自社の決算書をどう読めばよいか整理したい方は、税理士法人Light UPの無料相談をご利用ください。直近3期分の決算書をお持ちいただければ、推移から論点を絞ってご説明します。


【メタディスクリプション】
決算書の見方を経営者向けに整理しました。最初に見るべき3つの数字、損益計算書の5つの利益、貸借対照表の読み方、見落とされやすい4科目、金融機関が重視する簡易キャッシュフローと債務償還年数まで解説します。

決算対策のご相談は初回無料です。実際の数字を見ながら、自社の場合はどうなるかをそのままお話しできます。

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