M&Aの仲介手数料|レーマン方式の仕組み

監修税理士法人Light UP 代表社員(税理士) 中村 清誉

「2社から見積もりをもらったが、同じレーマン方式なのに金額が倍近く違う。どちらかが間違っているのか」。「成功報酬5%と言われて安心していたら、想定より1,000万円以上高い請求が来そうだと分かった」――M&Aの手数料をめぐる相談は、この2つの形で持ち込まれます。

どちらも計算方法が間違っているわけではありません。レーマン方式は、料率を掛ける対象となる基準額の定義が会社によって違い、そこで金額が大きく動きます。株式の譲渡代金を基準にするのか、負債を含めた総資産を基準にするのか。同じ譲渡価格でも、手数料が2倍以上変わることがあります。

見るべきは料率を掛ける相手です。私たちが契約前の確認を求められたとき、最初に読むのは報酬基準額の定義が書かれた条項です。ここが曖昧なまま署名すると、成約の直前になって金額を知ることになります。

この記事では、レーマン方式の計算構造から始め、基準額の3つの定義とその差、手数料の全体像、最低手数料、契約条項で確認すべき点、税務上の扱い、そして費用の一部を補助できる制度までを整理します。

レーマン方式は、金額の帯ごとに料率を掛ける

結論: レーマン方式は、取引金額を帯に分け、それぞれに異なる料率を掛けて合計する計算方法です。金額が大きいほど上の帯の料率が下がります。

帯ごとに計算して足す

5億円の取引に一律5%を掛けるのではありません。5億円以下の部分に5%、5億円超10億円以下の部分に4%というように、帯ごとに計算した金額を合計します。累進課税の税率計算と同じ構造です。

料率を一律で掛けると思っていると、計算結果が合わず混乱します。逆に、大型案件では帯が分かれる分だけ実効的な料率が下がっていきます。

一律方式との違いと、なぜ逓減するのか

会社によっては、帯に分けず取引金額全体に一つの料率を掛ける方式を採っていることがあります。この場合、小さい金額では有利に見えても、金額が上がると急に高くなります。契約書がどちらの方式かで、負担はまるで変わります。

M&Aにかかる仲介会社の作業量は、取引金額に比例して増えるわけではありません。1億円の案件も10億円の案件も、資料の整理や交渉の回数はそれほど変わらないという前提から、金額が大きいほど料率を下げる設計になっています。

料率テーブルと計算例

結論: 一般的な料率は5%から始まり、金額の帯が上がるごとに1ポイントずつ下がります。出発点は、自社の想定価格での試算です。

取引金額の帯 一般的な料率
5億円以下の部分 5%
5億円超10億円以下の部分 4%
10億円超50億円以下の部分 3%
50億円超100億円以下の部分 2%
100億円超の部分 1%

取引金額が8億円の場合、5億円までの部分に5%で2,500万円、残る3億円に4%で1,200万円、合計3,700万円という計算になります。8億円に一律5%を掛けた4,000万円とは300万円の差が出ます。

3億円の案件なら、帯は一つしか使いません。3億円に5%を掛けて1,500万円です。中小企業のM&Aは5億円以下に収まることが多く、実際には最初の帯だけで完結する案件が大半を占めます。

基準額の定義で、支払額が2倍変わる

結論: 料率を掛ける対象には、株式価値・企業価値・移動総資産の3つの考え方があります。負債を含むかどうかで金額が大きく動くため、契約前に定義を押さえないと比較になりません。

基準額の定義で支払額が変わる
基準の種類
株式価値基準
企業価値基準(株式価値に有利子負債を加える)
移動総資産基準(総資産を基準にする)
同じ譲渡代金でも
負債が大きい会社ほど、企業価値基準や移動総資産基準で金額が膨らむ
契約の前に、どの基準かを必ず確かめる

株式価値基準、企業価値基準、移動総資産基準

売り手が実際に受け取る株式の譲渡代金を基準にする方法です。もっとも分かりやすく、売り手にとって負担が読みやすい形です。

株式価値に有利子負債を加えた金額を基準にします。借入が多い会社では、この時点で基準額が譲渡代金を大きく上回ります。

株式価値に、有利子負債だけでなく買掛金や未払金を含めた負債総額を加えた金額を基準にします。3つの中でもっとも基準額が大きくなります。

同じ譲渡代金でも金額が変わる

譲渡代金1億円、有利子負債2億円、その他の負債1億円という会社を例にとります。株式価値基準なら基準額は1億円で手数料は500万円、企業価値基準なら3億円で1,500万円、移動総資産基準なら4億円で2,000万円です。料率はいずれも5%で同じですが、支払額は4倍の開きになります。

見積もりを比べるときに横に並べるのは、料率ではなく基準額の定義です。ここを揃えずに比較しても意味がありません。

手数料は成功報酬だけではない

結論: レーマン方式で計算されるのは成功報酬です。それ以外に着手金・中間金・月額報酬が別に設定されている場合があり、合計で見る必要があります。

費用の種類 発生する時期 一般的な水準
相談料 初回相談時 無料の会社が多い
着手金 仲介契約の締結時 無料〜300万円程度
月額報酬(リテイナーフィー) 契約期間中 毎月 無料〜月30万円程度
中間金 基本合意の締結時 成功報酬の10〜20%程度
成功報酬 最終契約・決済時 レーマン方式で算定

着手金と中間金は、成約に至らなかった場合でも原則として返還されません。成功報酬だけが安く見える見積もりでも、着手金と中間金を含めると総額が逆転することがあります。

なお、デューデリジェンスの費用(財務・法務・税務の調査)は仲介手数料とは別に発生するのが通常です。誰が負担するのかは、契約前に決まっている必要があります。

事業承継・相続・M&Aは私たちにお任せください。税理士法人Light UP の無料相談のご案内です。

成約までの流れと、費用が発生するタイミング

結論: 費用は成約時に一度だけ出ていくものではありません。どの段階で何が発生するかを先に並べておくと、資金の準備が読めます。

  1. 初回相談:多くの会社が無料です。この段階で料率テーブルと基準額の定義を聞いておくと、後の比較が楽になります。
  2. 仲介契約(アドバイザリー契約)の締結:着手金が発生する場合はここです。専任・テール条項もこの契約書に入ります。
  3. 企業概要書の作成と相手探し:月額報酬を設定している会社では、この期間中ずっと発生します。
  4. 相手先との面談・条件のすり合わせ:追加の費用は通常ありません。
  5. 基本合意の締結:中間金が発生します。成功報酬の10〜20%程度が目安です。
  6. デューデリジェンス:買い手が実施し、その費用は買い手負担が原則です。売り手側で資料作成を専門家に依頼すれば、その費用は別に生じます。
  7. 最終契約・決済:成功報酬を支払います。譲渡代金の入金と同時期になるのが通常です。

資金の観点で注意が要るのは2と5です。譲渡代金を受け取る前に出ていく費用であり、成約に至らなくても戻りません。ここを見落とすと、途中で資金が足りなくなります。

最低手数料が実質の手数料になる案件が多い

結論: 多くの仲介会社は最低手数料を設定しています。中小企業のM&Aでは、レーマン方式の計算結果より最低手数料の方が高くなる場面が珍しくありません。

実質の手数料は最低手数料で決まることが多い
01
最低手数料
料率で計算した額がこれを下回ると、こちらが適用される
02
小規模案件ほど影響が大きい
実質の手数料率が高くなる
03
買い手側にも設定される
仲介では、両方から受け取る構造になる
04
先に確かめる
料率より先に、最低手数料の水準を聞く

最低手数料の水準と、小規模案件ほど影響が大きいこと

会社によって差が大きく、500万円程度から2,500万円程度まで開きがあります。譲渡代金5,000万円の案件で最低手数料が2,000万円なら、実質的な料率は40%です。レーマン方式の5%という数字は、この場面では意味を持ちません。

譲渡代金が1億円を下回る案件では、最低手数料が総額を決めることになります。小規模案件を扱う仲介会社や、事業引継ぎ支援センターなど公的な支援機関を検討する余地があります。

買い手側にも設定されている

仲介の場合、最低手数料は売り手と買い手の双方に設定されているのが通常です。買い手が支払う手数料が高いと、その分だけ提示できる譲渡価格が下がります。相手方の手数料も、間接的には自社の手取りに影響します。相手方がいくら支払うのかは、中小M&Aガイドラインが説明を求めている事項の一つです。遠慮なく聞いてよい事項です。

中小M&Aガイドラインが求める説明

結論: 中小企業庁は2024年8月30日に中小M&Aガイドライン第3版を公表しました。仲介者・FAには、手数料の算定基準や相手方から受け取る手数料を含めた説明が求められています。

説明を求める根拠
中小M&Aガイドライン
→
求められる行動
仲介者が守るべきことが示されている
第3版で強化された点
手数料の説明や、利益相反への対応
M&A支援機関登録制度
登録された事業者は、遵守を宣言している
説明を求めるのは当然
基準額、料率、最低手数料、契約条項。聞いてよい

第3版で強化された点と、登録制度と遵守宣言

第3版では、提供する業務の内容とその対価である手数料について、中小企業側が確認すべき事項が整理され、仲介者・FA側に求められる説明が追記されました。手数料の算定基準、レーマン方式の料率テーブル、最低手数料、相手方から受け取る手数料などを、契約締結の前に説明することが求められています。

中小企業庁は2021年8月にM&A支援機関登録制度を創設し、登録を希望する支援機関にガイドラインの遵守宣言を求めています。2025年2月時点の登録数は2,841件で、うち法人が2,166件、個人事業主が675件です。依頼先の選定では、登録の有無が最初の足切りになります。

説明を求めるのは当然の行為

料率と基準額の説明を求めると関係が悪くなるのではないか、と考える経営者がいますが、これはガイドラインが求めている事項です。説明を渋る先は、その一点だけで候補から外して構いません。

ガイドラインが説明の義務を定めています。聞きにくいことではありません。答えられない相手なら、その時点で判断材料になります。書面での回答を求めても構いません。

契約条項で確認すべき4点

結論: 手数料の金額そのものより、契約条項によって後から負担が生じることの方が問題になります。読むべきは、専任・テール・直接交渉・解約の4つです。

契約条項で確認すべき4点
01
専任条項
他の仲介者に依頼できなくなる。期間を確かめる
02
テール条項
契約が終わった後も、一定期間内に成約すると手数料が発生する
03
直接交渉の制限
自分で見つけた相手とも交渉できない場合がある
04
解約時の扱い
途中でやめたときに、何が発生するか

専任条項とテール条項

契約期間中は他の仲介会社に依頼できないとする条項です。期間が長すぎると、成果が出ないまま身動きが取れなくなります。見るのは、期間と中途解約の条件です。

契約終了後も一定期間内に成約した場合、手数料を支払う義務が残るという条項です。期間が2年、3年と長く設定されていると、別の仲介会社を通じて成約したときに二重に支払うことになりかねません。対象となる相手先が特定されているかも確認が必要です。

直接交渉の制限と、解約時の扱い

仲介会社を通さずに相手と直接交渉することを禁じる条項です。一定の合理性はありますが、範囲が広すぎると通常の取引関係にまで影響します。

交渉の自由と、抜けるときの条件も見ます。

途中で解約した場合、着手金や中間金がどうなるのか、違約金が発生するのか。契約書に明記されていない場合、署名の前に書面で詰めておく必要があります。

仲介とFAで手数料の構造が違う

結論: 仲介は売り手と買い手の双方から手数料を受け取り、FAは一方からのみ受け取ります。手数料の総額だけでなく、誰の利益のために動くのかが変わります。

仲介とFAで構造が違う
仲介
売り手と買い手の両方と契約する
双方から手数料を受け取る
成約までは早いことが多い
FA
一方だけと契約する
依頼者の側に立つ
相手を探す手間は増える

仲介の構造とFAの構造

一つの会社が売り手と買い手の両方から報酬を得ます。成約すれば双方から受け取れるため、成約そのものへの動機が強く働きます。中小企業のM&Aでは仲介が主流です。

売り手か買い手のいずれか一方と契約し、その依頼者の利益のために交渉します。手数料は一方からのみですが、その分だけ料率や最低手数料が高くなる傾向があります。

どちらを選ぶか

譲渡価格を1円でも高くしたい、条件面で強く交渉したいという場合はFAが向きます。相手探しから成約までを一括で任せたい、費用を抑えたいという場合は仲介が現実的です。あわせて、仲介を選ぶ場合は、利益相反の説明を受けているかどうかが判断材料になります。

利害が対立する場面があるかどうかで決めます。自社の側にだけ立ってほしいならFAです。

手数料の税務上の扱い

結論: 支払った手数料は、売り手か買い手か、株式譲渡か事業譲渡かによって扱いが変わります。損金や譲渡費用になるかどうかで、実質的な負担が変わります。

売り手が個人の場合

株式の譲渡所得の計算では、譲渡代金から取得費と譲渡に要した費用を差し引きます。国税庁の解説では、この計算を「総収入金額(譲渡価額)-必要経費(取得費+委託手数料等)=一般株式等に係る譲渡所得等の金額」と示しています。仲介手数料はこの委託手数料等に含まれると整理されるのが一般的です。

税率は所得税15%・住民税5%に復興特別所得税を加えた20.315%です。復興特別所得税は基準所得税額の2.1%で、令和8年分までの所得税に課されます。令和8年度税制改正で防衛特別所得税(所得税額の1%)が創設され、令和9年1月1日以後に生ずる所得については、復興特別所得税の税率が1.1%に引き下げられたうえで、課税期間が令和29年12月31日まで10年延長されました。防衛特別所得税と復興特別所得税を合わせた率は2.1%のまま変わらないため、令和9年以後も合計の税率は20.315%のままです。

売り手が法人の場合と、買い手の場合

会社が株式や事業を譲渡した場合、支払った手数料は原則として損金になります。ただし譲渡の内容によって計上時期の判断が分かれるため、決算期をまたぐ場合は、事前の確認が要ります。

株式を取得するために支払った手数料は、株式の取得価額に含めるのが原則です。この場合、支払った時点では費用になりません。事業譲渡であれば、支払対価の一部として資産調整勘定の計算に関係します。買い手側の負担感が方式によって変わる理由の一つです。

消費税

仲介手数料は課税取引です。金額が大きいため、本則課税の事業者にとっては仕入税額控除の対象となるかどうかが資金繰りに影響します。

国内の仲介会社に払う手数料は課税仕入れです。インボイスの保存が要ります。海外の会社に払う場合は、リバースチャージの対象になるかを確認します。金額が大きいため、区分を誤ると納税額に響きます。

手数料の一部は補助金の対象になる

結論: 事業承継・M&A補助金の専門家活用枠では、仲介手数料やデューデリジェンス費用が補助の対象になります。ただし、着手前に公募要領へ当たっていることが前提です。

令和7年度補正予算の専門家活用枠では、補助率は原則2分の1以内、物価高の影響で営業利益率が低下している場合や直近期が赤字の場合は3分の2以内です。補助上限は通常600万円で、一定の要件を満たす場合には最大2,000万円まで引き上げられます。

注意すべきは、交付決定の前に契約・発注したものは対象外という原則です。仲介契約を結んでから補助金の申請を検討すると、間に合いません。相手探しを始める段階で、補助金の公募時期を調べておく必要があります。

手数料を抑える現実的な方法

結論: 値切るのではなく、基準額の定義と最低手数料が自社の規模に合う先を選ぶことが、もっとも確実な方法です。

手数料を抑える現実的な方法
1

複数社から見積もりを取る
基準額と最低手数料をそろえて比べる
2

規模に合った先を選ぶ
大型案件を扱う先だと、最低手数料が重くなる
3

公的な支援機関を使う
事業承継・引継ぎ支援センターなど
4

補助金を確かめる
専門家への費用が補助の対象になることがある

複数社から見積もりを取る、規模に合った先を選ぶ、公的な支援機関を使う

料率、基準額の定義、最低手数料、着手金と中間金の有無。この4項目を並べた表を作れば、比較は容易です。1社だけの説明で決めると、比較の土台がないまま契約することになります。

大型案件を主戦場とする仲介会社に小規模案件を持ち込むと、最低手数料の負担が重くなります。譲渡代金1億円未満の案件なら、小規模案件を扱う先やマッチングサイトの方が総額を抑えられます。

事業承継・引継ぎ支援センターは全国に設置され、相談は無料です。民間の仲介会社を紹介される場合もありますが、まず選択肢を整理する場として使えます。

事例|手数料で分かれた4つの場面

結論: 実際のつまずきは、料率ではなく基準額と契約条項で起きています。相談で多い4つを挙げます。

基準額の定義を確認していなかった製造業。 成功報酬5%という説明で契約しましたが、基準額が移動総資産でした。借入と買掛金を合わせて3億円あったため、譲渡代金1億円に対して手数料は2,000万円。手取りが想定を大きく下回りました。

最低手数料が総額を決めた小売業。 譲渡代金6,000万円に対し、最低手数料2,000万円が適用されました。実質の料率は33%です。別の仲介会社では最低手数料が500万円だったため、事前に比較していれば負担が変わっていた事案です。

テール条項で二重払いになりかけた建設業。 1社目との契約を解除し、2社目を通じて成約。1社目の契約に3年のテール条項があり、紹介済みの相手だったため請求が発生しました。契約終了時に、紹介を受けた相手先のリストを書面で確定させておく必要がありました。

補助金の申請が間に合わなかった卸売業。 仲介契約を締結したあとに補助金の存在を知り、交付決定前の契約であったため対象外となりました。相手探しの前に公募時期を確認していれば、数百万円の負担が変わっていた事案です。

よくある質問

Q. レーマン方式の料率は交渉できますか?
A. 料率そのものが変わることはあまりありませんが、基準額の定義や最低手数料、着手金の有無は会社によって差があります。複数社を比較し、自社の規模に合う先を選ぶ方が現実的です。

Q. 手数料はいつ支払うのですか?
A. 成功報酬は最終契約または決済の時点が一般的です。着手金は契約時、中間金は基本合意時に発生します。譲渡代金を受け取る前に支払いが生じる項目があるため、資金の流れを事前に確認してください。

Q. 成約しなかった場合、支払った費用は戻りますか?
A. 着手金と中間金は原則として返還されません。完全成功報酬をうたう会社でも、実費や調査費用が別途請求される場合があります。契約書の返還条項を必ず確認してください。

Q. 仲介とFAでは、どちらの手数料が高くなりますか?
A. 一般にFAの方が料率や最低手数料は高めです。ただし仲介は買い手側からも手数料を得るため、その分が譲渡価格に影響することがあります。総額ではなく手取りで比べてください。

Q. 仲介手数料は経費として認められますか?
A. 個人が株式を譲渡した場合は譲渡所得の計算上、委託手数料等として差し引く形になります。法人の場合は原則として損金です。買い手側が株式取得のために支払った手数料は、取得価額に含めるのが原則です。

Q. 補助金を使うにはどうすればよいですか?
A. 事業承継・M&A補助金の専門家活用枠の公募要領を確認し、交付決定を受けてから契約・発注してください。先に契約すると対象外になります。公募の時期は年度ごとに変わります。

まとめ:料率ではなく、基準額と契約条項を読む

レーマン方式は、取引金額を帯に分けて料率を掛ける計算方法です。5億円以下の部分に5%、その上の帯から順に4%、3%と下がります。中小企業のM&Aは最初の帯で完結することが多く、計算は単純です。

金額を大きく動かすのは、料率ではなく基準額の定義です。株式価値・企業価値・移動総資産のどれを採るかで、同じ譲渡代金でも手数料が数倍変わります。加えて、小規模案件では最低手数料が総額を決めます。見積もりを比べるときは、この2つを揃えて並べてください。

そのうえで、専任条項・テール条項・直接交渉の制限・解約時の扱いを読みます。中小M&Aガイドライン第3版は、手数料の算定基準や相手方から受け取る手数料の説明を仲介者・FAに求めています。説明を求めるのは当然の行為です。

自社の想定価格でどれくらいの手数料になるのか、見積もりの条件が妥当かを確認したい方は、Light UPの無料相談をご利用ください。契約前の条項確認から、手取りの試算までお手伝いします。

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出典

  • 中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」2024年8月30日改訂
  • 中小企業庁「M&A支援機関登録制度に係る登録フィナンシャル・アドバイザー及び仲介業者の公表」2025年2月
  • 国税庁 タックスアンサー No.1463「株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」
  • 事業承継・M&A補助金(令和7年度補正予算)専門家活用枠 公募要領
  • 中小企業庁「事業承継・引継ぎ支援センター」

この記事の監修者

中村 清誉

中村 清誉

税理士法人Light UP 代表社員(税理士)

近畿税理士会 尼崎支部 登録番号 5957(税理士法人Light UP)

2013年に税理士事務所を創設。2019年からは会計・コンサルティング・M&Aの支援へ業務を広げ、現在は職員70名の体制で中小企業の税務と経営を支えています。

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