消費税の計算方法|納付税額の出し方を原則と簡易課税で簡単に整理

「結局いくら納めることになるのか、自分で計算できるようになりたい」。「税理士から割戻しと積上げのどちらにするか聞かれて、答えられませんでした」――消費税の申告が近づくと出てくるご相談です。

結論からお伝えすると、消費税の納付税額は、売上にかかった消費税から仕入にかかった消費税を引いた金額です。この引き算の形はインボイス制度になっても変わっていません。難しく感じるのは、売上税額と仕入税額それぞれに2通りの計算方法があり、組み合わせに制限があるためです。

税理士法人Light UPでは、計算方法の説明を最初にしません。先に決めるのは、本則課税と簡易課税のどちらを選ぶかです。簡易課税を選べる会社では、仕入の集計そのものが不要になるため、割戻しか積上げかという論点自体が消えるからです。

この記事では、納付税額の基本式から、売上税額と仕入税額それぞれの計算方法、簡易課税のみなし仕入率、2割特例までを、実際に手を動かす順に整理します。

消費税の計算はどうやるか

結論: 消費税の納付税額は、課税期間中の売上にかかった消費税額から、仕入にかかった消費税額を差し引いて求めます。この基本の形はインボイス制度の下でも変わりません。

引き算の形は変わっていない

国税庁のタックスアンサー第6351号は「課税期間中の売上税額から仕入税額を控除するといった消費税額の計算方法は、適格請求書等保存方式においても、これまでと変わりません」としています。

変わったのは、仕入税額を引くために適格請求書の保存が要るという点です。計算式そのものではありません。この引き算の形は、消費税が導入された当初から一貫しています。制度の名称や請求書の様式が変わっても、売上と仕入の差額を納めるという基本構造は変わっていません。

課税期間と、預かって納める性質

課税期間は、個人事業者なら1月1日から12月31日まで、法人なら事業年度です。この期間の売上と仕入を集計します。

消費税は、事業者が消費者から預かった税を国に納める仕組みです。利益が出ていなくても、売上があれば納税が生じます。

赤字なのに消費税だけは払うという場面が起きるのは、この構造によります。利益で判断する法人税や所得税とは、この点で性質が異なります。

納付税額の基本式【表】

結論: 納付税額は「売上税額-仕入税額」で求めます。仕入税額の出し方が、本則課税・簡易課税・2割特例の3つに分かれます。

方法 仕入税額の出し方 使える人
本則課税 実際の仕入から集計する すべての課税事業者
簡易課税 売上税額 × みなし仕入率 基準期間の課税売上高5,000万円以下+届出
2割特例 売上税額 × 80% インボイスを機に課税事業者になった人

どの方法でも、売上にかかった消費税額を出すところは同じです。違うのは、そこから引く仕入税額をどう求めるかだけです。

課税売上が1,100万円(税込)で、課税仕入が660万円(税込)の会社を考えます。売上税額はおよそ100万円、仕入税額はおよそ60万円。差引40万円が納付税額の目安です。

この規模感を先に持っておくと、細かい計算方法の話が入りやすくなります。

税率は2つある

結論: 消費税の税率は標準税率10パーセントと軽減税率8パーセントの2つで、それぞれ国税と地方税に分かれます。計算は国税部分の税率を使います。

税率は2つ、内訳は4つ
01
標準税率10パーセント
国税7.8パーセントと地方消費税2.2パーセントに分かれる
02
軽減税率8パーセント
国税6.24パーセントと地方消費税1.76パーセントに分かれる
03
計算に使うのは国税部分
申告書の計算は7.8パーセントと6.24パーセントで行う
04
区分できていないと計算できない
帳簿と請求書で税率ごとに分けておく必要がある

国税と地方税の内訳、軽減税率の対象

標準税率10パーセントのうち、国税は7.8パーセント、地方消費税は2.2パーセントです。軽減税率8パーセントのうち、国税は6.24パーセント、地方消費税は1.76パーセントです。

申告書ではまず国税部分を計算し、そこから地方消費税を算出します。7.8や6.24という見慣れない数字が出てくるのは、このためです。

飲食料品(酒類と外食を除く)と、週2回以上発行される定期購読の新聞が軽減税率の対象です。

飲食店を営む会社では、店内飲食は10パーセント、テイクアウトは8パーセントと分かれます。売上を税率ごとに区分する必要が出てきます。

区分できていないと計算できない

税率ごとに分けて集計するのが前提です。会計ソフトで税率区分を入れずに1年分を記帳してしまうと、決算で作り直しになります。

帳簿の段階で税率ごとに分けておく必要があります。あとからまとめて分けようとすると、レシート1枚ずつに戻ることになります。会計ソフトの税区分を正しく選ぶところから始まります。日々の入力が、そのまま計算の前提になります。

売上税額の出し方

結論: 売上税額の原則は割戻し計算で、税込売上の合計に100分の110または100分の108を掛けて課税標準額を出し、そこに7.8パーセントまたは6.24パーセントを掛けます。

売上と仕入で、原則が逆になっている
売上税額
原則は割戻し計算
特例として積上げ計算が使える
積上げは交付した適格請求書の消費税額を積み上げる
仕入税額
原則は積上げ計算
特例として割戻し計算が使える
割戻しは税込の課税仕入れの合計から計算する

原則は割戻し計算、特例は積上げ計算

国税庁は割戻し計算について「税率ごとに区分した課税期間中の課税資産の譲渡等の税込価額の合計額に、110分の100または108分の100を掛けて税率ごとの課税標準額を算出し、それぞれの税率(7.8%または6.24%)を掛けて売上税額を算出します」としています。

年間の税込売上をまとめて割り戻すため、1件ごとの端数を気にせずに済みます。ほとんどの会社がこちらです。

交付した適格請求書の写しを保存している場合、そこに記載した消費税額の合計に100分の78を掛けて売上税額とすることもできます。

1件ごとの請求書に書いた消費税額を積み上げるため、端数処理の分だけ税額がわずかに変わります。小売業のように件数が多い事業では差が出ます。

どちらを選ぶかの実務

請求書を発行するたびに消費税額を記載し、その合計を持っている会社でなければ積上げ計算は使えません。システムが対応していない限り、割戻しを選ぶことになります。

会計ソフトの設定で決まっていることがほとんどです。設定を変えると税額が動くため、期の途中では変えません。どちらを使っているかを、一度確かめておくことです。

インボイス・消費税の判断に迷っていませんか。実際の数字を見ながらお答えします。初回のご相談は無料です。

仕入税額の出し方

結論: 仕入税額の原則は積上げ計算で、受け取った適格請求書に記載された消費税額の合計に100分の78を掛けて求めます。特例として割戻し計算も認められています。

原則は積上げ計算

国税庁は「相手方から交付を受けた適格請求書などの請求書等(提供を受けた電磁的記録を含みます。)に記載されている消費税額等のうち課税仕入れに係る部分の金額の合計額に100分の78を掛けて仕入税額を算出します」としています。

売上とは逆で、仕入は積上げが原則です。ここが混乱の元になります。売上の原則が割戻しであるのに対し、仕入は逆になっている点を覚えておくと迷いにくくなります。

特例の割戻し計算、免税事業者からの仕入

税率ごとに区分した課税仕入れの支払対価の合計に、110分の7.8または108分の6.24を掛ける方法です。実務ではこちらのほうが集計は楽になります。

適格請求書発行事業者でない相手からの仕入は、原則として仕入税額控除ができません。経過措置により一定割合が控除できる期間があります。経過措置の期間と控除できる割合は段階的に縮小していくため、適用できる期間のうちに確認しておくことです。

組み合わせのルール

結論: 売上税額を積上げ計算した場合、仕入税額も積上げ計算しなければなりません。仕入税額で積上げと割戻しを併用することはできません。

組み合わせのルール
売上税額をどちらで計算したか
売上を積上げ計算にした
仕入税額も積上げ計算にしなければならない
売上を割戻し計算にした
仕入税額は積上げでも割戻しでも選べる
仕入税額の中で
積上げと割戻しを併用することはできない
制約がある理由
端数処理の有利な組み合わせだけを選べないようにするため

3つの制約と、なぜ制約があるのか

  1. 売上を積上げにしたら仕入も積上げ:国税庁は「売上税額を積上げ計算した場合、仕入税額も積上げ計算しなければなりません」としています。
  2. 仕入の割戻しは売上が割戻しのときだけ:仕入税額を割戻し計算できるのは、売上税額を割戻し計算している場合に限られます。
  3. 仕入税額の併用は不可:売上税額では割戻しと積上げの併用が認められていますが、仕入税額では認められていません。

売上を積上げにすると税額がわずかに下がる傾向があります。仕入を割戻しにすると仕入税額がわずかに増えます。両方を有利な側で選べると、意図的に税額を圧縮できてしまいます。

実務でよくある形

売上も仕入も割戻し計算。これが最も多い組み合わせです。集計が楽で、制約にも引っかかりません。

売上は割戻し、仕入は積上げ。会計ソフトの初期設定がこの組み合わせになっていることが多くあります。制約に触れない組み合わせなので、そのまま使って差し支えありません。変えるとしたら、税額の差を試算してからです。数円から数十円の差にしかならないこともあります。

帳簿積上げ計算という方法

結論: 課税仕入れの都度、支払対価に10対110または8対108を掛けて算出した金額を仮払消費税額として帳簿に記載している場合、その合計に78対100を掛けて仕入税額とすることも認められています。

多くの会計ソフトは、仕訳を入力するたびに仮払消費税額を計算して記録しています。この状態であれば、帳簿積上げ計算の要件を満たします。

1円未満の端数が出たときは、切捨てまたは四捨五入で処理します。年度の途中で処理方法を変えないことが前提です。

請求書に消費税額が書かれていない場合でも、帳簿で仮払消費税額を計上していれば積上げ計算ができます。実務ではこの方法が使いやすい場面があります。

簡易課税という簡単な方法

結論: 簡易課税は、基準期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者が届出をした場合に、仕入税額を実額でなく売上税額にみなし仕入率を掛けて求められる制度です。

簡易課税で計算するとき
1

基準期間の課税売上高を確かめる
5,000万円以下であることが条件
2

届出を出す
適用を受けたい課税期間の初日の前日まで
3

売上を事業区分に分ける
区分ごとにみなし仕入率が違う
4

売上税額に率を掛ける
掛けたものが仕入税額とみなされる。仕入の集計は要らない

仕入の集計が要らなくなる

国税庁は簡易課税制度について「中小事業者の納税事務負担に配慮する観点から、事業者の選択により、売上げに係る消費税額を基礎として仕入れに係る消費税額を算出することができる制度です」としています。

仕入側の請求書を1件ずつ集計する作業がなくなります。事務の負担という意味では、これが最も大きい差です。請求書を1件ずつ確認する作業がなくなるため、経理担当者が少ない事業者ほど恩恵を感じやすい仕組みです。

5,000万円という線、国外事業者の扱い

基準期間(個人は前々年、法人は原則として前々事業年度)の課税売上高が5,000万円以下であることが条件です。当期の売上ではありません。基準期間の課税売上高は実績で判定するため、期の途中で数字を動かして調整することはできません。

令和6年10月1日以後に開始する課税期間から、その課税期間の初日において恒久的施設を有しない国外事業者は簡易課税制度の適用を受けられません。

みなし仕入率の6区分【表】

結論: みなし仕入率は事業の種類によって6区分に分かれ、卸売業の90パーセントから不動産業の40パーセントまで開きがあります。

事業区分 業種 みなし仕入率
第1種 卸売業 90%
第2種 小売業、飲食料品の譲渡に係る農林漁業 80%
第3種 農林漁業(飲食料品を除く)、鉱業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業 70%
第4種 第1種・第2種・第3種・第5種・第6種以外の事業 60%
第5種 運輸通信業、金融業・保険業、サービス業(飲食店業を除く) 50%
第6種 不動産業 40%

飲食店業は第4種です。サービス業に見えますが第5種ではありません。ここは実務で最も間違えやすいところです。

建設業でも、材料を自分で用意するかどうかで第3種と第4種に分かれることがあります。

みなし仕入率90パーセントの卸売業なら、売上税額の1割だけを納めることになります。40パーセントの不動産業なら6割です。

同じ売上でも、業種によって納税額が大きく変わります。

簡易課税を選ぶ手続き

結論: 簡易課税を使うには、適用を受けたい課税期間の前日までに消費税簡易課税制度選択届出書を提出します。原則として2年間は変更できません。

届出の期限

適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに提出します。3月決算の会社が翌期から使いたいなら、3月31日までです。

期限を1日でも過ぎると、その期は使えません。届出の期限は消費税の実務で最も事故が多い部分です。期限は決算日からではなく、適用したい課税期間の初日から逆算して数える点に注意します。前期の決算が確定してから慌てて動くと、間に合わないことがあります。

2年縛りと、設備投資があるときは不利になる

いったん選択すると、原則として2年間は本則課税に戻せません。大きな設備投資を予定している年度は、慎重に判断することになります。

本則課税なら、設備投資にかかった消費税が仕入税額として控除でき、還付を受けられることがあります。簡易課税では売上からしか計算しないため、この還付が受けられません。投資の計画があるかどうかを、届出を出す前に必ず確認しておくことです。

2つ以上の事業をやっている場合

結論: 複数の事業を営む場合は、事業区分ごとに課税売上高を分けてみなし仕入率を適用します。ただし1つの事業が75パーセント以上を占める場合は、その率を全体に使えます。

原則は区分ごと、75パーセントの特例

小売と飲食を両方やっている場合、それぞれ第2種80パーセントと第4種60パーセントで計算し、合算します。

国税庁は「2種類以上の事業を営む事業者で、1種類の事業の課税売上高が全体の課税売上高の75パーセント以上を占める場合には、その事業のみなし仕入率を全体の課税売上げに対して適用することができます」としています。

3種類以上を営む場合も、特定の2種類で75パーセント以上を占めるときの特例があります。

区分できていない場合

売上を事業区分ごとに分けていない場合、その部分については最も低いみなし仕入率が適用されます。区分の記録がないと不利になります。たとえば小売と飲食を営みながら売上を分けずに記帳していると、両方とも高いほうの第2種ではなく、低いほうの第4種で計算されることになります。日々の記帳の段階で区分しておくことが前提です。

2割特例の計算

結論: インボイス制度を機に免税事業者から課税事業者になった人は、売上税額の8割を仕入税額とみなす2割特例を使えます。納付税額は売上税額の2割です。

2割特例の位置づけ
01
計算
売上税額の8割を仕入税額とみなす。納付税額は売上税額の2割
02
届出
事前の届出は要らない。申告のときに選べる
03
対象
インボイス制度を機に免税事業者から課税事業者になった人
04
期限
令和8年9月30日を含む課税期間まで

売上税額さえ出れば、その2割が納付税額です。仕入の集計も、事業区分の判定も要りません。

手続きの面でも負担が軽くなっています。

事前の届出は不要で、申告書に記載することで適用できます。簡易課税のような2年縛りもありません。

ただし、使える期間には区切りがあります。

適用できる期間には期限があり、その後は本則課税か簡易課税を選ぶことになります。終わる時期を把握しておく必要があります。

3つの方法を比べる【表】

結論: 本則課税・簡易課税・2割特例は、事務負担と納税額の両面で異なります。設備投資の予定と業種によって、有利になる方法が変わります。

比べる点 本則課税 簡易課税 2割特例
仕入の集計 必要 不要 不要
事業区分の判定 不要 必要 不要
届出 不要 事前に必要 不要
縛りの期間 なし 原則2年 なし
還付を受けられるか 受けられる 受けられない 受けられない

まず2割特例が使えるかを見ます。使えるなら、多くの場合これが最も簡単で税額も小さくなります。

使えない場合、設備投資の予定があれば本則課税、なければ簡易課税と本則課税を試算して比べます。

みなし仕入率が実際の仕入率より高ければ簡易課税が有利、低ければ本則課税が有利です。この比較は、自社の数字を入れないと答えが出ません。

中間納付がある場合

結論: 前年の消費税額が一定額を超えると、翌年は中間申告と納付が必要になります。中間納付した金額は、確定申告で納付税額から差し引きます。

前課税期間の消費税額(国税部分)の大きさによって、年1回・3回・11回と分かれます。税額が大きいほど回数が増えます。

年11回の中間納付になると、ほぼ毎月納税が発生します。初めて対象になった年は、資金計画が狂うことがあります。

業績が落ちている年は、仮決算を行って実額で中間申告する方法を選べます。前年基準より納付額を抑えられる場合があります。

端数処理でずれる場面

結論: 消費税の計算では1円未満の端数処理が繰り返し発生し、方法によって最終的な納付税額がわずかに変わります。処理方法を年度の途中で変えないことが前提です。

端数はどこで出るか
1円未満の端数処理
請求書ごと
適格請求書は、税率ごとに1回だけ端数処理する
帳簿積上げ
課税仕入れの都度、仮払消費税額を計算するところで出る
割戻し計算
期間の合計に対して1回だけ処理するため、積み上がった差が出にくい
そろえておくこと
処理の方法を期の途中で変えない。前期と比べられなくなる

請求書ごとの消費税額、帳簿の仮払消費税額、課税標準額の千円未満切捨て。複数の段階で端数が生じます。

積上げ計算は1件ごとに端数処理をするため、件数が多いほど割戻し計算との差が積み上がります。年間数万件の取引がある事業では、数万円の差になることもあります。

売上と仕入で端数処理の考え方をそろえ、途中で変えない。これが説明のしやすさにつながります。

よくある相談事例

税務相談の現場で実際に多い3つの場面を挙げます。特定の顧問先が分かる内容は含めていません。

飲食店を始めた方/設備投資を控えていた製造業

テイクアウトと店内飲食の両方を扱う店舗からのご相談でした。売上の税率区分ができておらず、レジの設定を見直すところから始めています。

事業区分の判定でも詰まりました。飲食店業は第4種で、サービス業の第5種ではありません。みなし仕入率が50パーセントか60パーセントかで納税額が変わるため、ここは最初に固めています。

簡易課税を選ぶかどうかのご相談でした。翌々期に大型の設備投資を予定しており、その年は本則課税なら還付が見込める状況です。

2年縛りがあるため、投資の年に本則課税でいられるように届出の時期を逆算しました。目先の1年だけで比べていたら、還付を取り逃がしていた場面です。

免税事業者から課税事業者になった方

インボイスの登録を機に課税事業者になった個人事業主の方から、計算が難しくて手が止まっているというご相談を受けました。

2割特例が使えることをお伝えし、売上税額の2割を納めればよい形に整理しています。仕入の集計をしていなかったことが不安の原因でしたが、この方法なら不要でした。

初年度は2割特例が使えるかどうかを先に確かめます。

よくある質問

消費税の計算で一番簡単な方法はどれですか?
2割特例です。売上税額の2割を納めるだけで、仕入の集計も事業区分の判定も要りません。使えるかどうかは、インボイス制度を機に課税事業者になったかで決まります。
割戻し計算と積上げ計算はどちらが得ですか?
売上税額は積上げのほうがわずかに小さくなる傾向がありますが、仕入税額も積上げにしなければならず、集計の手間が増えます。取引件数が少ない事業では、割戻しで十分なことがほとんどです。
簡易課税と本則課税はどちらを選べばよいですか?
実際の仕入率がみなし仕入率を上回るなら本則課税、下回るなら簡易課税が有利になります。設備投資の予定がある年は本則課税でないと還付を受けられません。自社の数字での試算が要ります。
赤字でも消費税は納めるのですか?
納めます。消費税は利益ではなく取引に課される税で、預かった税を納める仕組みだからです。赤字の年でも売上があれば納税が生じます。
事業区分が分からないときはどうしますか?
区分ごとに売上を分けていない部分は、最も低いみなし仕入率が適用されます。判定に迷う場合はご相談ください。
中間納付はいつから始まりますか?
前課税期間の消費税額が一定額を超えた翌年からです。金額に応じて年1回・3回・11回と回数が変わります。

まとめ

  • 納付税額は売上税額から仕入税額を引いた金額。この形はインボイス制度でも変わっていない
  • 税率は標準10パーセント・軽減8パーセントで、計算には国税部分の7.8パーセント・6.24パーセントを使う
  • 売上税額の原則は割戻し、仕入税額の原則は積上げ。売上を積上げにしたら仕入も積上げになる
  • 簡易課税は基準期間の課税売上高5,000万円以下+事前の届出。みなし仕入率は6区分で40〜90パーセント
  • 2割特例が使えるなら最も簡単。売上税額の2割を納めるだけで済む

書かなかったことを最後に一つ。計算方法を覚えるより、区分を正しく記録するほうが先です。税率区分と事業区分さえ帳簿に入っていれば、計算自体は会計ソフトが行います。逆に区分がないと、どの方法を選んでも申告書は作れません。

計算方法の選択で迷う場面があれば、税理士法人Light UPの無料相談からお気軽にご連絡ください。業種と売上規模、設備投資の予定をうかがったうえで、3つの方法を試算して並べます。

インボイス・消費税のご相談は初回無料です。実際の数字を見ながら、自社の場合はどうなるかをそのままお話しできます。

出典

  • 国税庁 タックスアンサー第6351号「納付税額の計算のしかた」(令和7年4月1日現在法令等・割戻し計算と積上げ計算・組み合わせの制約・帳簿積上げ計算)
  • 国税庁 タックスアンサー第6505号「簡易課税制度」(基準期間の課税売上高5,000万円以下・みなし仕入率の6区分・75パーセントの特例・恒久的施設を有しない国外事業者の除外)
  • e-Gov法令検索「消費税法」第30条(仕入れに係る消費税額の控除)・第37条(中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例)

【メタディスクリプション】
消費税の計算方法を、納付税額の基本式から売上税額と仕入税額それぞれの出し方まで簡単に整理しました。割戻しと積上げの組み合わせルール、簡易課税のみなし仕入率6区分、2割特例の計算まで解説します。

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