駐車場代の勘定科目と仕訳の方法|更新料・消費税の扱いまで解説

監修税理士法人Light UP 代表社員(税理士) 中村 清誉

駐車場代の勘定科目は、借り方で決まります。会社が月極で借りている駐車場は地代家賃、出先で停めたコインパーキングは旅費交通費で処理します。ただし、科目より先に決めるのは消費税の区分です。駐車場代は原則として課税で、整備も管理もしていない更地を借りているときだけ非課税になります。国税庁の公表資料(2026年10月時点)に沿って、消費税の判定、礼金・更新料の処理、インボイス、通勤用、個人事業主まで整理します。

駐車場代の勘定科目は?

結論: 月極の駐車場代は地代家賃、コインパーキング代は旅費交通費で処理します。科目は法律で決まっているわけではないため、会社でルールを決めて毎期同じ科目を使います。

場面ごとの科目の早見表

駐車場代を払った場面ごとに、入れる科目は次のとおりです。

場面 科目の目安
社用車の月極駐車場を借りている 地代家賃(車両費にまとめる会社もある)
営業や出張の途中でコインパーキングに停めた 旅費交通費
研修に参加するために停めた 研修費
社員旅行で停めた 福利厚生費
取引先の接待に伴って停めた 交際費
使う回数がごくまれ 雑費でも差し支えない

月極駐車場代の科目の選び方

月極の駐車場代は、車を使わない月も同じ額が出ていくため、地代家賃に入れます。車1台あたりのコストを見たい会社は、燃料費・車検・保険と合わせて車両費にまとめても構いません。

コインパーキング代の科目

出先のコインパーキング代は、電車代や高速代と同じ移動のための費用なので、旅費交通費に入れます。月極と分けておくと、営業活動の増減と固定費を月次で読み分けられます。

駐車場代の処理でよくある間違いは?

結論: 間違えやすいのは、消費税の課税と非課税の取り違え、礼金や更新料を全額その場で費用にする処理、登録のない貸主へのインボイスの対応の3つです。どれも、納める消費税や法人税の額が動きます。

決算の直前に、月極駐車場の消費税を全部課税仕入れで処理していたと気づいて相談に来られる方が少なくありません。会計ソフトの初期設定のまま入力すると、気づかないまま積み上がります。

消費税の課税と非課税の取り違え

駐車場代が課税か非課税かは、請求書の記載ではなく、駐車場の状態と契約の形で決まります。非課税の駐車場代を課税仕入れにすると、控除できる消費税が多すぎになり、逆なら取りこぼします。毎月同じ額が出ていく費用なので、数年で差が積み上がります。

礼金や更新料の費用処理

礼金や更新料は、20万円未満なら払った期の費用、20万円以上なら契約期間にわたって少しずつ費用にします。全額をその場で費用にしたり、少額なのに資産に残し続けたりする間違いが目立ちます。

登録のない貸主とインボイス

月極駐車場の貸主は個人の地主が多く、インボイスの登録がないこともあります。登録のない貸主へ払った課税の駐車場代は、令和8年10月1日以後の課税仕入れで、控除できる消費税が7割になります。

税理士が確認する順番

税理士は、次の順番で確かめます。

駐車場代の処理を確かめる順番
1

契約書で借り方を見る
月極か時間貸しか、契約期間は1か月以上か、貸主はどこかを確かめる
2

駐車場の状態を聞く
舗装・区画線・フェンスの有無と、管理人の有無を確かめる
3

消費税の区分を決める
課税か非課税かを決め、会計ソフトの取引先の設定に入れる
4

一時金を分ける
礼金・更新料・敷金・仲介手数料を、処理の違うものに分ける
5

貸主の登録を確かめる
インボイスの登録番号があるかを請求書で見る

駐車場の契約書と直近の請求書をお持ちいただければ、整備や管理の状況から消費税の区分を一緒に確かめ、礼金や更新料の処理まで決めます。

勘定科目・仕訳は私たちにお任せください。税理士法人Light UP の無料相談のご案内です。

駐車場代の消費税は課税?非課税?

結論: 駐車場代は原則として課税です。非課税になるのは、地面の整備もフェンスや区画も管理もない土地を、1か月以上の契約で貸している場合だけです。

課税になる駐車場の条件

土地の貸付けは消費税が非課税ですが、貸付期間が1か月に満たない場合と、駐車場などの施設の利用に伴って土地を使わせる場合は、非課税から外れます(国税庁タックスアンサーNo.6201、No.6213)。消費税法基本通達6-1-5の注書きによると、地面の整備もフェンスも区画も建物の設置もしていない土地は、駐車場として貸していても土地の貸付けに含まれます。ただし、車両の管理をしている場合は除かれます。

反対に、アスファルト舗装や砂利敷き、白線の区画、フェンス、屋根があれば課税です。整備がなくても、管理人が車の出入りを管理していれば課税です。

非課税になる駐車場の条件

非課税になるのは、整備も管理もない更地を、1か月以上の契約で借りている場合です。区画線が1本あるだけで課税になるため、更地だと思っていた駐車場に区画線があった、という例もあります。

貸付期間は、実際に使った日数ではなく契約で定めた期間で判定します(消費税法基本通達6-1-4)。コインパーキングや時間貸しは、契約の期間が1か月に満たないため、施設の有無にかかわらず必ず課税です。

事務所や住宅の賃貸に伴う駐車場

事務所や店舗の賃貸借と一緒に借りた駐車場は、契約書で家賃と駐車場代を分けて書いていても、合計額が建物の貸付けの対価になります(消費税法基本通達6-1-5の注2)。事業用の建物の家賃は課税なので、駐車場代も課税です。

住宅(社宅など)に伴う駐車場代が非課税になるのは、1戸あたり1台分以上の駐車スペースが確保されていて、保有の有無にかかわらず割り当てられていることと、家賃とは別に駐車場使用料を受け取っていないことの両方を満たすときです(国税庁タックスアンサーNo.6226)。

課税・非課税の早見表

借り方 駐車場の状態 消費税
月極 舗装・砂利敷き・区画線・フェンス・屋根のどれかがある 課税
月極 整備がなく、管理人もいない更地 非課税
月極 整備はないが、管理人が車を管理している 課税
コインパーキング・時間貸し 問わない(貸付期間が1か月未満) 課税
事務所・店舗の賃貸と一緒に借りた 問わない 課税(建物の貸付けの一部)
住宅の賃貸と一緒に借りた 1戸1台以上で、家賃とは別の料金がない 非課税
住宅の賃貸と一緒に借りた 駐車場代を別料金で払っている 課税

礼金・更新料・敷金はどう処理する?

結論: 返ってくる敷金は資産に計上し、返ってこない礼金と更新料は、20万円未満ならその期の費用、20万円以上なら契約期間にわたって償却します。仲介手数料は払った期の費用です。

敷金や保証金は資産に計上

解約のときに返還される敷金や保証金は、費用ではなく、差入保証金などの資産に計上します。消費税も返還されるものは課税の対象外です(国税庁タックスアンサーNo.6225)。返還されない部分は礼金と同じ扱いです。

礼金と更新料の繰延資産

返ってこない礼金や更新料のうち、効果が1年以上に及ぶものは、税務上の繰延資産(これからの期にも効果が及ぶ費用)になります(法人税法施行令第14条第1項第6号ロ。個人事業主は所得税法施行令第7条第1項第3号ロ)。契約期間が1年未満なら繰延資産ではありません。

20万円未満の支出は、払った期に損金経理(帳簿上で費用にすること)をすれば、全額をその期の損金の額に算入できます(法人税法施行令第134条。個人事業主は所得税法施行令第139条の2)。科目は地代家賃が一般的です。

20万円以上の支出は、効果の及ぶ期間の月数で割って、毎期少しずつ損金の額に算入します(法人税法施行令第64条第1項第2号)。国税庁の通達の償却期間の表(法人税基本通達8-2-3)に載っているのは建物と機器の賃借の費用だけで、駐車場に定めはありません。契約期間が目安です。貸借対照表には、長期前払費用などの科目で載せます。

礼金の額で変わる処理(説明用の金額です)
礼金が20万円未満のとき
払った期に損金経理をすれば全額が損金の額に算入できる
礼金12万円なら、払った期に12万円
貸借対照表に残らず処理が1回で済む
礼金が20万円以上のとき
礼金30万円で契約期間3年なら、毎年10万円ずつ損金の額に算入する
残りは長期前払費用などで貸借対照表に載せる
期の途中で払うと、1年目は月割りになる

更新料も同じ扱いです。

仲介手数料と消費税

不動産会社へ払う仲介手数料は、支払手数料で処理します。建物の賃借の仲介手数料は、払った事業年度の損金の額に算入できると通達に明記されています(法人税基本通達8-1-5の注)。駐車場の仲介手数料も、同じ考え方で払った期の費用にします。

消費税は、礼金と更新料が駐車場代と同じ側に入ります。仲介手数料は別で、土地の貸付けが非課税の契約でも課税です(消費税法基本通達6-1-6)。

コインパーキングの領収書は?

結論: 領収書が出ない場合も、日付・場所・金額・目的を記録すれば経費にできます。消費税の仕入税額控除は、インボイスの有無と金額で保存するものが変わります。

領収書が出ないときの記録

領収書が出ない機械では、出金伝票かメモに、日付・場所・金額・訪問先を書いて残します。

インボイスの保存の決まり

コインパーキングは、国税庁のQ&Aで、請求書等の保存が不要になる3万円未満の自動販売機・自動サービス機の特例の対象にならないと明記されています(インボイスQ&A問47)。

そのため、仕入税額控除には原則としてインボイス(適格簡易請求書)の保存が必要です。ただし、税込1万円未満の課税仕入れは、基準期間の課税売上高が1億円以下、または特定期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者なら、帳簿の保存だけで控除できます(少額特例。令和11年9月30日までの課税仕入れ。国税庁タックスアンサーNo.6496)。1回の駐車料金はほとんどが1万円未満なので、当てはまる事業者が多くなります。

通勤用の駐車場代はどうなる?

結論: 通勤のために従業員が負担する駐車場代は、令和8年4月1日以後に払う通勤手当から、月5,000円までが非課税限度額に上乗せされます。会社が従業員に代わって契約した駐車場も、通勤手当として扱います。

令和8年4月からの非課税の上乗せ

マイカー通勤の非課税限度額は、片道の通勤距離で決まります。令和8年度の税制改正で、勤務先や通勤に使う駅の周辺の駐車場の料金を従業員が負担している場合は、距離ごとの限度額に月5,000円(料金が5,000円に満たなければその額)が加わりました(国税庁「通勤手当の非課税限度額の改正について」)。たとえば片道50kmなら、距離の限度額32,300円に5,000円を足して37,300円です。片道2km未満の人と、自宅付近の駐車場は、上乗せの対象外です。

会社名義で契約した駐車場

会社が従業員に代わって契約し料金を負担する場合も、通勤手当として扱い、限度額を超えた部分は給与として課税されます(同Q&A、Q4-2)。

個人事業主の駐車場代は経費?

結論: 事業専用の駐車場は全額が必要経費で、自宅の駐車場を事業にも使っているなら、事業で使った割合の分だけが必要経費です。

自宅の駐車場は家事按分

自宅の駐車場を借りていて、その車を仕事にも使っているなら、家事上の経費は必要経費に算入できないと所得税法第45条が定めているため、事業で使う割合の分だけを切り分けます。割合は走行距離や使用日数など説明できる基準で決め、同じ車のガソリン代と同じ率にそろえます。

事業専用の駐車場

事務所の近くに事業専用で借りた駐車場は、按分が要らず全額が必要経費です。契約を自宅用と分けておくと説明が簡単です。

よくある質問

駐輪場代の勘定科目は何ですか?
月極なら地代家賃、一時利用なら旅費交通費です。消費税の判定も駐車場と同じで、国税庁の通達は両方を並べて扱っています。地面の整備やフェンス、区画、管理がなければ非課税、あれば課税です。
駐車違反の反則金は経費になりますか?
なりません。法人税法第55条第5項が、通告処分による罰金や科料に相当するもの(交通反則金)を損金の額に算入しないと定めています。個人事業主も、所得税法第45条第2項により必要経費に算入できません。従業員の反則金を会社が負担した場合は、業務に関連するものなら損金の額に算入できず、そうでなければ従業員への給与です(法人税基本通達9-5-12)。レッカー移動の費用は反則金ではないため、領収書の段階で分けます。
駐車場の更新手数料は、更新料と同じ扱いですか?
支払先と中身で分けます。貸主への対価なら更新料と同じ扱いで、20万円未満なら払った期の費用、20万円以上なら契約期間で償却します。管理会社への事務の報酬なら、支払手数料で払った期の費用です。

まとめ:契約書と駐車場の状態で決めよう

  • 月極の駐車場代は地代家賃、コインパーキング代は旅費交通費。一度決めた科目は毎期続けます
  • 消費税は原則として課税です。非課税になるのは、整備も管理もない更地を1か月以上の契約で借りているときだけです
  • 事務所や店舗の賃貸と一緒に借りた駐車場は、契約書で分けても課税です
  • 礼金・更新料は20万円未満なら払った期の費用、20万円以上なら契約期間で償却します
  • 令和8年4月以後は、通勤用の駐車場代が月5,000円まで非課税限度額に上乗せされます

消費税の区分や礼金・更新料の処理に迷っている方は、税理士法人Light UPの無料相談をご利用ください。駐車場の契約書と直近の請求書を確認し、消費税の区分と一時金の処理を整理します。

勘定科目・仕訳は私たちにお任せください。税理士法人Light UP の無料相談のご案内です。

出典

  • 国税庁 消費税法基本通達 6-1-4、6-1-5、6-1-6
  • 国税庁 タックスアンサー No.6201「非課税となる取引」、No.6213「駐車場の使用料など」、No.6225「地代、家賃や権利金、敷金など」、No.6226「住宅の貸付け」、No.6496「仕入税額控除をするための帳簿及び請求書等の保存」
  • 国税庁 消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A(問47)
  • 国税庁「通勤手当の非課税限度額の改正について」(令和8年4月)と同Q&A
  • 国税庁 法人税基本通達 8-1-5、8-2-3、9-5-12
  • e-Gov 法令検索「法人税法」(第55条)、「法人税法施行令」(第14条、第64条、第134条)、「所得税法」(第45条)、「所得税法施行令」(第7条、第139条の2)

この記事の監修者

中村 清誉

中村 清誉

税理士法人Light UP 代表社員(税理士)

近畿税理士会 尼崎支部 登録番号 5957(税理士法人Light UP)

2013年に税理士事務所を創設。2019年からは会計・コンサルティング・M&Aの支援へ業務を広げ、現在は職員70名の体制で中小企業の税務と経営を支えています。

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