青色申告承認申請書の提出期限はいつまで?出し忘れの対処法を解説

監修税理士法人Light UP 代表社員(税理士) 中村 清誉

青色申告承認申請書の期限は、個人事業主ならその年の3月15日までです。その年の1月16日以後に事業を新しく始めた人は、事業を始めた日から2か月以内です。法人は、青色申告にしたい事業年度が始まる日の前日までで、設立1期目だけは、設立から3か月を経過した日と最初の決算日のうち早いほうの前日までです。期限を過ぎると、その年分(法人はその事業年度)は青色申告にできません。

この記事では、個人と法人それぞれの期限、期限を過ぎたときの出し直し方、承認の通知が来ないときの考え方、65万円の青色申告特別控除に必要な条件を、法令と国税庁の資料(2026年10月時点)で整理します。

青色申告の申請期限はいつまで?

結論: 個人事業主はその年の3月15日まで、1月16日以後に事業を始めた人は始めた日から2か月以内です。法人は青色にしたい事業年度が始まる日の前日までで、設立1期目だけ別の期限があります。

場面ごとの期限の早見表

場面 提出期限 根拠
個人事業主・すでに事業をしている 青色にしたい年の3月15日まで 所得税法144条
個人事業主・1月16日以後に事業を始めた 事業を始めた日から2か月以内 所得税法144条
法人・設立1期目 設立の日以後3か月を経過した日と、1期目の決算日のうち早いほうの前日 法人税法122条2項1号
法人・2期目以降 青色にしたい事業年度が始まる日の前日 法人税法122条1項
法人・1期目が3か月に満たない場合の2期目 設立の日以後3か月を経過した日と、2期目の決算日のうち早いほうの前日 法人税法122条2項4号

期限の日が土曜日・日曜日・祝日に当たるときは、その翌日が期限になります(国税通則法10条2項、国税庁の手続案内)。

個人事業主の期限の数え方

期限の基準は、確定申告をする年ではなく、青色申告にしたい年です。令和9年分から青色申告にしたい人は、令和9年3月15日までに出します。令和10年3月の確定申告のときに出しても、令和9年分には間に合いません。

1月16日という日付は、3月15日の2か月前です。1月15日以前に事業を始めた人は3月15日が期限になり、1月16日以後に始めた人は始めた日から2か月以内になります。10月15日に事業を始めたなら、期限は12月15日です。

事業を相続で引き継いだ場合の期限は別です。

法人の期限の数え方

2期目以降の事業年度で青色申告にしたいときは、その事業年度が始まる日の前日までに出します。3月決算の会社が、4月1日から始まる事業年度を青色にしたいなら、3月31日までです。

設立1期目は、設立の日以後3か月を経過した日と、1期目の決算日のうち早いほうの前日が期限です。4月1日に設立して1期目が翌年3月31日に終わる会社なら、3か月を経過した日は7月1日で、期限は6月30日です。1期目が3か月に満たない会社は、決算日の前日が1期目の期限になり、2期目の期限は、設立の日以後3か月を経過した日の前日になります。

設立の日は、事業を始めた日ではなく、設立の登記をした日です。

青色申告の申請でよくある間違いは?

結論: 間違えやすいのは、年の数え違い、事業を始めた日の取り違え、設立1期目の日付の数え違い、出した記録が残っていないことの4つです。間違えると、1年間は青色申告の特典を受けられません。

開業届は出したのに青色申告承認申請書は出していなかったと、確定申告の直前に気づいて相談に来られる方が少なくありません。

青色にしたい年と申告する年の取り違え

3月15日は、所得税の確定申告の期限でもあるため、申請書の期限と混同されます。申請書の期限は、青色にしたい年の3月15日です。翌年の確定申告の時期に出すと、その年分は白色申告になり、青色申告特別控除や赤字の繰越しが適用できません。

事業を始めた日の取り違え

期限を数える起点は、事業を実際に始めた日です。開業届の提出日や、準備を始めた日ではないため、気づかないうちに2か月が過ぎている人がいます。

設立1期目の日付の数え違い

法人は、設立の日、1期目の決算日、3か月を経過した日を並べて、早いほうを選びます。決算日を設立から数か月後に置いた会社は、3か月を待たずに決算日の前日が期限になります。

出した記録が残っていない

令和7年1月から、税務署は申告書や届出書の控えに収受日付印を押さなくなりました。書面で出すときは、提出用の正本だけを出し、控えは自分で作って保管し、提出した年月日も自分で記録します。窓口で希望すれば、受付日と税務署名を記載したリーフレットを受け取れます。電子申告なら受信通知を保存します(国税庁「令和7年1月からの申告書等の控えへの収受日付印の押なつについて」)。

税理士は、相談を受けたら、事業を始めた日(法人は設立の日)を確かめ、期限の日付を出し、出した記録があるかを順に見ます。開業届や設立の書類と、申請書を出した記録をお持ちいただければ、青色申告が始まる年と期限の日付を確かめます。

個人事業主・青色申告は私たちにお任せください。税理士法人Light UP の無料相談のご案内です。

青色申告の申請を出し忘れたら?

結論: 期限を過ぎたら、その年分(法人はその事業年度)は青色申告にできず、白色申告になります。申請書に書く年を翌年に変えて出し直せば、翌年分から青色申告にできます。

その年分は白色申告になる

青色申告書は、税務署長の承認を受けた人だけが出せます(所得税法143条、法人税法121条)。承認を受けていない年分は、白色申告で出します。

翌年分に向けた出し直し

申請書には、何年分から青色申告にしたいかを書く文があります。その年を翌年に変えて出します。令和8年中に出し忘れに気づいた人は、令和8年分は白色申告で出し、令和9年分から青色申告にするために、令和9年3月15日までに申請書を出します。

出し忘れに気づいたときの進め方
1

事業を始めた日を確かめる
個人は事業を実際に始めた日、法人は設立の日と決算日
2

期限を数える
個人は3月15日か2か月以内、法人は事業年度の前日か3か月経過日の前日
3

期限内なら
その年分(その事業年度)から青色にするため、すぐに出す
4

期限後なら
申請書の年を翌年にして出し直す
5

白色の年の記帳を整える
複式簿記で記帳して、翌年に青色へ切り替えられる形にする

白色申告の年に適用できない制度

白色申告の年に適用できない制度は次のとおりです。

制度 青色申告 白色申告
特別控除 最高65万円、55万円、10万円の青色申告特別控除(租税特別措置法25条の2) なし
赤字の繰越し 個人は3年間(所得税法70条)、法人は10年間(法人税法57条) 白色の年に生じた赤字は繰り越せない
家族への給与 届出書に書いた範囲で、全額を必要経費にできる(所得税法57条1項) 事業専従者控除(配偶者は最高86万円、その他は最高50万円)のみ(同条3項)
少額減価償却資産の特例 取得価額40万円未満(令和8年4月1日以後の取得)の資産を、年300万円まで全額経費にできる 適用できない

白色の年になっても、それ以前の青色の年に生じた赤字は、そのまま繰り越して使えます。適用できないのは、白色の年に生じた赤字です。

災害などやむを得ない事情があるとき

災害その他やむを得ない理由で期限までに申請できなかったと税務署長が認めたときは、その理由がやんだ日から2か月以内に限り、期限が延長されます(国税通則法11条)。出し忘れは、この延長の理由に当たりません。

青色申告の承認通知が来ないときは?

結論: 承認の通知書が手元になくても、却下の通知が来ないまま、所得税は12月31日、法人は事業年度の末日が過ぎれば、承認があったものとみなされます。

承認があったとみなされる日

所得税法147条は、承認を受けようとする年の12月31日までに承認も却下もなかったときは、その日に承認があったものとみなすと定めています。その年の11月1日以後に新しく事業を始めた場合は、翌年2月15日です。

法人税法125条1項は、事業年度の終了の日までに承認も却下もなかったときに、承認があったものとみなすと定めています。中間申告書を出す必要がある法人は、事業年度の開始の日から6か月を経過する日です。

税務署長は、承認も却下も書面で通知するのが法律の定めです(所得税法146条、法人税法124条)。通知書が届かない間に期限が過ぎても、却下の通知が無ければ、承認として扱われます。

承認されたかを確かめる方法

却下の通知が来ていないことに加えて、次の2つを確かめます。

  • 控えや受信通知で、提出した日が期限内だったこと
  • 不安があれば、管轄の税務署に提出した日を伝えて、承認の状況を問い合わせること

開業届なしでも青色申告できる?

結論: できます。開業届と青色申告承認申請書は別の手続で、根拠の条文も期限も違います。開業届を出していなくても、青色申告承認申請書を期限内に出せば、承認を受けられます。

2つの届出の期限の違い

開業届は、事業を始めたことを知らせる届出です。所得税法229条は、その年分の確定申告期限までに出すと定め、国税庁は事業を始めた日から1か月以内の提出を案内しています。

青色申告承認申請書は、青色申告の特典を受けるための申請で、期限は3月15日か、事業を始めた日から2か月以内です。申請書の期限を過ぎると、その年分の特典を受けられません。

提出先と提出方法

提出先は、納税地の所轄税務署長です。書面を税務署に出すか、e-Tax(国税電子申告・納税システム)で送信します(国税庁の手続案内)。

同時に出す書類

事業を始めるときは、次の書類にも期限があります。

  • 青色事業専従者給与に関する届出書:家族に給与を払うときに出す。期限は青色申告承認申請書と同じ3月15日か、事業を始めた日から2か月以内(所得税法57条2項)
  • 給与支払事務所等の開設届出書:人を雇うときに出す。開設の日から1か月以内(所得税法230条)

青色申告65万円控除の条件は?

結論: 令和8年分までの65万円控除は、複式簿記で記帳し、期限内に申告したうえで、e-Taxで申告するか、仕訳帳と総勘定元帳を電子で保存する人が対象です。令和9年分以後は条件が変わります。

令和8年分までの条件

国税庁タックスアンサーNo.2072(令和8年4月1日現在法令等)によると、55万円控除の条件は次の3つです。

  • 不動産所得か事業所得を生ずべき事業を営んでいること
  • 取引を正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)で記帳していること
  • 貸借対照表、損益計算書と所得金額の計算の明細書を確定申告書に添付し、確定申告期限(翌年3月15日)までに提出すること

65万円控除は、この条件に加えて、次のどちらかを満たす場合です。

  • その年分の仕訳帳と総勘定元帳を、電子帳簿保存の要件に従って電子データで保存していること
  • 確定申告書、貸借対照表、損益計算書等を、期限までにe-Taxで送信していること(画像データでの送信は認められません)

還付申告でも、期限内の提出が条件です。

令和9年分以後の見直し

令和8年度税制改正の大綱(令和7年12月閣議決定)は、令和9年分以後の所得税について、次の見直しを定めています。

青色申告特別控除の見直し(令和8年度税制改正の大綱)
令和8年分まで
55万円:複式簿記で記帳し、期限内に申告
65万円:55万円の条件に加えて、電子帳簿保存かe-Taxのどちらか
10万円:上の条件に当たらない青色申告者
令和9年分以後
65万円:複式簿記に加えて、期限内にe-Taxで申告・提出
75万円:65万円の条件に加えて、仕訳帳・総勘定元帳の電子保存など
10万円:前々年の事業所得や不動産所得の収入金額が1,000万円を超える人は対象外

どの控除も、青色申告の承認を受けていることが前提です。承認申請書を出し忘れた年は、控除額にかかわらず適用できません。

よくある質問

青色申告承認申請書の期限はいつですか?
個人は、青色にしたい年の3月15日までです。1月16日以後に事業を始めた場合は、事業を始めた日から2か月以内です。法人は、青色にしたい事業年度が始まる日の前日までで、設立1期目は設立から3か月を経過した日と決算日のうち早いほうの前日までです。
出し忘れた年は、青色申告で申告できませんか?
できません。承認を受けていない年分は、白色申告で申告します。申請書の年を翌年に変えて出し直せば、翌年分から青色申告にできます。
承認の通知が来ません。出したことになっていますか?
提出した日が期限内で、却下の通知が来ていなければ、所得税は12月31日、法人は事業年度の末日に承認があったものとみなされます。控えや受信通知が手元にあるか確かめ、不安なら税務署に問い合わせてください。
開業届を出していなくても、申請書は出せますか?
出せます。開業届と青色申告承認申請書は別の手続です。申請書だけを期限内に出しても、承認を受けられます。

まとめ:期限の日付を先に確かめよう

  • 個人は青色にしたい年の3月15日まで、1月16日以後に事業を始めたなら始めた日から2か月以内
  • 法人は事業年度が始まる日の前日まで、設立1期目は3か月を経過した日と決算日のうち早いほうの前日まで
  • 期限を過ぎたらその年分は白色申告になり、申請書の年を翌年に変えて出し直す
  • 承認の通知が来なくても、却下の通知が無いまま所得税は12月31日、法人は事業年度の末日が過ぎれば、承認があったものとみなされる

事業を始めた日や設立の日から数えて期限に間に合うか不安な方、出し忘れに気づいた方は、税理士法人Light UPの無料相談をご利用ください。事業を始めた日(法人は設立の日)と提出した記録、直近の決算書や確定申告書を確認し、期限と翌年分に向けた手続きを整理します。

個人事業主・青色申告は私たちにお任せください。税理士法人Light UP の無料相談のご案内です。

出典

  • e-Gov 法令検索「所得税法」第57条、第70条、第143条から第147条、第150条、第229条、第230条
  • e-Gov 法令検索「法人税法」第57条、第121条から第125条、第127条
  • e-Gov 法令検索「租税特別措置法」第25条の2
  • e-Gov 法令検索「国税通則法」第10条、第11条
  • 国税庁 手続案内「A1-8 所得税の青色申告承認申請手続」
  • 国税庁 手続案内「C1-19 青色申告書の承認の申請」
  • 国税庁 タックスアンサー No.2072「青色申告特別控除」
  • 国税庁「令和7年1月からの申告書等の控えへの収受日付印の押なつについて」
  • 国税庁「令和8年度 法人税関係法令の改正の概要」
  • 財務省「令和8年度税制改正の大綱」(令和7年12月26日閣議決定)

この記事の監修者

中村 清誉

中村 清誉

税理士法人Light UP 代表社員(税理士)

近畿税理士会 尼崎支部 登録番号 5957(税理士法人Light UP)

2013年に税理士事務所を創設。2019年からは会計・コンサルティング・M&Aの支援へ業務を広げ、現在は職員70名の体制で中小企業の税務と経営を支えています。

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