減価償却費の計算方法|定額法と定率法

「定率法のほうが早く費用にできると聞いたのですが、計算がよく分かりません」。「会計ソフトが出した数字が、途中の年から急に増えたのはなぜでしょうか」――減価償却の計算については、この2つをよくご相談いただきます。

減価償却費の計算方法は2つです。定額法は取得価額に定額法の償却率を掛け、定率法は期首の未償却残高に定率法の償却率を掛けます。定率法だけ、途中で計算式が切り替わる仕組みが入っています。

税理士法人Light UPでは、定率法でつまずくのは掛け算そのものではなく償却保証額という考え方を知らないことだと考えています。ソフトの数字が途中の年から増えたように見えるのは、この切り替えが起きたためです。

この記事では、計算に使う3つの数字、定額法と定率法それぞれの算式と計算例、期の途中で買った場合の月割り、中古資産の耐用年数、そして限度額どおりに計上しなくてよい場面までを、決算と申告を代行している立場から整理します。

計算に使う数字は3つだけ

結論: 減価償却費の計算に必要なのは、取得価額・耐用年数・償却率の3つです。期の途中で使い始めた場合は、これに月数の按分が加わります。

取得価額は買った値段だけではなく、耐用年数は選べない

取得価額には、本体価格のほかに引取運賃・据付費・試運転費など、事業に使うまでにかかった費用が含まれます。この金額が計算のすべての起点になります。

消費税の経理方式によって金額が変わる点も押さえておきます。税抜経理なら税抜金額、税込経理なら税込金額が取得価額です。

耐用年数は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令で資産の種類・構造・用途ごとに定められています。実際に何年使うつもりかとは関係ありません。

パソコンなら4年、事務机なら金属製で15年、軽自動車は4年、というように細かく分かれています。判定を誤ると、償却率も償却保証額もすべてずれます。

償却率は耐用年数から引き、起点は事業に使い始めた日

償却率は、耐用年数省令の別表に耐用年数ごとに定められています。定額法は別表第八、平成24年4月1日以後に取得した資産の定率法は別表第十です。

同じ耐用年数8年でも、定額法は0.125、定率法は0.250と数字が違います。定率法の償却率は定額法の2倍に設定されています。

計算の起点は、買った日ではなく事業に使い始めた日です。3月に納品されて4月から使い始めた設備は、4月からの償却になります。

倉庫に置いたままの機械は、まだ償却が始まりません。ここは決算前の設備投資でよく問題になるところです。

定額法は毎年同じ額を計上する

結論: 定額法の償却限度額は、取得価額に定額法の償却率を掛けた金額です。耐用年数の期間中、毎年同じ額が続きます。

定額法で1年分の償却費を出すまで
1

取得価額を確定する
本体価格に引取運賃・据付費・試運転費などを加える。値引きがあれば差し引く
2

耐用年数を調べる
耐用年数省令の別表から、資産の種類・構造・用途で引く。実際に使う予定の年数ではない
3

定額法の償却率を引く
別表第八から耐用年数に対応する率を引く。8年なら0.125、5年なら0.200
4

掛け算して月割りする
取得価額×償却率で1年分を出し、期の途中なら使用月数を12で割った割合を掛ける

算式は1行で済み、償却率は表から引く

国税庁のタックスアンサーNo.5410は、定額法の償却限度額を「取得価額×定額法の償却率」と示しています。掛け算が1つあるだけです。

耐用年数省令別表第八による、よく使う耐用年数の償却率は次のとおりです。

耐用年数 定額法の償却率
2年 0.500
3年 0.334
4年 0.250
5年 0.200
6年 0.167
8年 0.125
10年 0.100

耐用年数の逆数に近い数字ですが、割り切れない年数は端数を切り上げた率になっています。6年なら1÷6は0.1666…ですが、償却率は0.167です。

100万円・耐用年数8年の場合

国税庁が示す計算例では、取得価額100万円・耐用年数8年・償却率0.125の資産について、1年目から7年目まで毎年12万5,000円を計上します。7年で87万5,000円が費用になり、未償却残高は12万5,000円です。

8年目は計算上も12万5,000円ですが、ここで全額を償却すると帳簿価額がゼロになります。

最後の年は1円を残す

平成19年4月1日以後に取得した資産は、耐用年数が経過した時点で残存簿価1円まで償却できます。国税庁の同じ計算例も、8年目の償却限度額を12万4,999円としています。

この1円は備忘価額と呼ばれ、資産を売却するか廃棄するまで帳簿に残ります。貸借対照表に1円だけ残っている資産は、償却が終わった資産です。

定率法は途中で計算式が切り替わる

結論: 定率法の償却限度額は、期首の未償却残高に定率法の償却率を掛けた金額です。ただしこの金額が償却保証額を下回った年から、算式が改定償却率を使うものに切り替わります。

定率法は、毎年まず調整前償却額を計算して償却保証額と比べる
調整前償却額が償却保証額以上のとき
通常の算式を使う。(取得価額-既償却額)×定率法の償却率が、その年の償却限度額になる
調整前償却額が償却保証額を初めて下回ったとき
算式が切り替わる。その年の期首未償却残高が改定取得価額になり、それに改定償却率を掛ける
切り替わった後の年
改定取得価額は動かない。同じ改定取得価額に改定償却率を掛けるので、毎年同じ額になる
最後の年
残存簿価1円を残すため、計算上の金額から1円を引いた額が償却限度額になる

2つの算式

国税庁のタックスアンサーNo.5410は、定率法の算式を2つ示しています。通常は「(取得価額-既償却額)×定率法の償却率」で計算した調整前償却額が償却限度額です。ただしこの調整前償却額が償却保証額に満たない場合は、「改定取得価額×改定償却率」が償却限度額になります。

償却保証額は、取得価額に耐用年数ごとの保証率を掛けた金額です。改定取得価額は、調整前償却額が最初に償却保証額を下回った事業年度の期首未償却残高を指します。

なぜ切り替えが要るのかと、率の一覧

定率法は残高に一定の率を掛けるので、計算上は永久にゼロになりません。半分の半分の半分と続けても、残高は残り続けます。

耐用年数のうちに償却を終えるために、途中から定額に切り替える仕組みが入っています。償却保証額は、この切り替えの合図を出すための数字です。

耐用年数省令別表第十による、平成24年4月1日以後に取得した資産の率は次のとおりです。

耐用年数 償却率 改定償却率 保証率
3年 0.667 1.000 0.11089
4年 0.500 1.000 0.12499
5年 0.400 0.500 0.10800
6年 0.333 0.334 0.09911
8年 0.250 0.334 0.07909
10年 0.200 0.250 0.06552

耐用年数2年の資産は償却率が1.000で、改定償却率と保証率が定められていません。1年目に全額を償却する形になるためです。

100万円・耐用年数8年の場合

国税庁が示す200%定率法の計算例を追うと、切り替えの仕組みが見えます。取得価額100万円・償却率0.250・改定償却率0.334・保証率0.07909なので、償却保証額は7万9,090円です。

計算 償却限度額 未償却残高
1年目 1,000,000×0.250 250,000 750,000
2年目 750,000×0.250 187,500 562,500
3年目 562,500×0.250 140,625 421,875
4年目 421,875×0.250 105,468 316,407
5年目 316,407×0.250 79,101 237,306
6年目 237,306×0.334 79,260 158,046
7年目 237,306×0.334 79,260 78,786
8年目 237,306×0.334-1円 78,785 1

5年目の調整前償却額7万9,101円は、償却保証額7万9,090円をわずかに上回っています。6年目の調整前償却額は237,306×0.250で5万9,326円となり、ここで初めて償却保証額を下回るため算式が切り替わります。

「6年目から金額が増えていて、ソフトの不具合かと思いました」というお声を実際にいただいたことがあります。5年目の7万9,101円が6年目に7万9,260円へ増えるので、直感には反する動き方をします。

200%定率法と250%定率法

平成24年4月1日以後に取得した資産には200%定率法、平成19年4月1日から平成24年3月31日までに取得した資産には250%定率法が適用されます。250%定率法は定額法の償却率を2.5倍したもので、耐用年数8年なら償却率0.313・保証率0.05111です。

古い資産が残っている会社では、同じ耐用年数でも取得時期によって率が違います。台帳を作り直すときに混ざりやすいところです。

期の途中で使い始めた場合は月割りになる

結論: 事業年度の途中で使い始めた資産は、1年分の償却費に使用月数を12で割った割合を掛けます。1か月に満たない端数は1か月として数えます。

月割りで間違えやすい4つの点
01
起点は納品日ではない
事業の用に供した日が起点。倉庫に置いたままの機械は、まだ償却が始まらない
02
1か月未満は切り上げる
3月28日から使い始めて3月決算なら、4日でも1か月として数える。12分の1を計上できる
03
期末の購入は効果が小さい
3月決算の会社が3月に100万円の機械を買っても、定率法で計上できるのは25万円の12分の1で約2万円
04
廃棄した年も月割り
期の途中で除却した場合、使った月数分だけ償却してから除却損を計上する方法がある

月数の数え方

100万円・耐用年数8年の資産を、3月決算の会社が10月から使い始めた場合を考えます。定額法なら1,000,000×0.125×6/12で6万2,500円です。

定率法なら1,000,000×0.250×6/12で12万5,000円になります。翌期は期首未償却残高87万5,000円に0.250を掛けて21万8,750円です。

期末の設備投資は効果が限られる

決算前に設備を買って費用を作ろうとする場面があります。ただ月割りが入るため、期末月に買っても1か月分しか計上できません。

節税の目的だけで期末に買うと、支出の割に費用が小さいという結果になります。翌期の期首に回したほうが、同じ支出で計上できる額は大きくなります。

同じ100万円の設備でも、期首に稼働させれば12か月分が費用になります。差は10倍以上です。決算月に間に合わせるために工事を急がせるより、翌期の頭に動かすほうが、計上できる金額でも稼働の期間でも有利になります。

節税の判断に迷っていませんか。実際の数字を見ながらお答えします。初回のご相談は無料です。

中古資産は耐用年数を短くできる

結論: 中古資産を取得した場合、法定耐用年数ではなく使用可能期間として見積もった年数を使えます。見積りが困難なときは簡便法で算定します。

中古資産の耐用年数を簡便法で出す
1

法定耐用年数を調べる
まず新品として取得した場合の耐用年数を確認する。ここが計算の出発点になる
2

経過年数を数える
初度登録や新築からの経過期間を月単位で押さえる。車なら車検証、建物なら登記事項証明書で分かる
3

全部経過か一部経過かを判定する
法定耐用年数を全部経過していれば、法定耐用年数の20パーセント。一部なら別の式を使う
4

端数を処理する
1年未満の端数は切り捨て、2年に満たない場合は2年とする。ここを忘れると1年短く計算してしまう

簡便法の2つの式

国税庁のタックスアンサーNo.5404が示す簡便法は、次のとおりです。法定耐用年数の全部を経過した資産は、その法定耐用年数の20パーセントに相当する年数。一部を経過した資産は、法定耐用年数から経過年数を差し引いた年数に、経過年数の20パーセントを加えた年数です。

算出した年数に1年未満の端数があるときは切り捨て、2年に満たない場合は2年とします。

計算例

同じ資料の例では、法定耐用年数30年・経過年数10年の中古資産について、30年-10年=20年に、10年×20パーセント=2年を加えて22年としています。

普通自動車(法定耐用年数6年)を4年落ちで買った場合なら、6年-4年=2年に、4年×20パーセント=0.8年を加えて2.8年、端数を切り捨てて2年です。4年落ちの車が2年で償却できるという話は、この計算から来ています。

資本的支出があると使えない場合と、判定の年度

同じ資料は、中古資産を事業に使うために支出した資本的支出の金額が、その中古資産の取得価額の50パーセントを超える場合には簡便法を使えないとしています。さらに再取得価額の50パーセントを超える場合は、法定耐用年数によることになります。

大規模な改装をした中古物件では、この判定が入ります。

中古資産の耐用年数の算定は、その資産を事業に使った事業年度でしかできません。翌年になってから短い耐用年数に変えることはできない、という点に注意します。

償却方法は資産の種類と届出で決まる

結論: 建物・建物附属設備・構築物は定額法しか使えません。それ以外の資産は届出により選べますが、届出をしない場合は法人が定率法、個人が定額法になります。

法人と個人で、届出をしないときの方法が違う
法人
届出がなければ機械装置や車両は定率法
建物・建物附属設備・構築物は定額法のみ
選定の届出は設立後最初の確定申告書の提出期限まで
変更するには承認申請が要る
個人事業主
届出がなければ原則としてすべて定額法
建物・建物附属設備・構築物は定額法のみ
定率法を選ぶなら届出が要る
償却は強制で、計上しない選択ができない

建物などは定額法だけ。届出をしないとどうなるか

平成10年4月1日以後に取得した建物、平成28年4月1日以後に取得した建物附属設備と構築物は、定額法しか選べません。不動産を持つ会社で定率法を選ぶ余地がないのは、この理由からです。

法人が償却方法を届け出ていない場合、機械装置・車両運搬具・器具備品などは定率法になります。個人事業主は原則として定額法です。

同じ資産を買っても、法人と個人で1年目の費用が変わるのはこの違いによります。

変更には承認が要る

いったん選んだ方法を変えるには、変更しようとする事業年度の開始の日の前日までに承認申請書を提出します。届出ではなく承認なので、税務署長の判断が入ります。

期首を過ぎてから思い立っても、その期からは変えられません。

承認申請には、変更しようとする理由を書きます。合併や分割で資産の使い方が変わった、事業の内容が変わったといった事情が想定されています。採用してから3年を経過していない方法については、原則として変更が認められません。

限度額どおりに計上しなくてもよい場面

結論: 法人の減価償却は任意償却で、計算した償却限度額の範囲内であればいくら計上しても構いません。個人事業主は強制償却で、この選択ができません。

償却限度額は上限を示すもの。償却不足と償却超過

法人税法上、損金にできるのは償却限度額までです。逆にいえば、限度額より少なく計上することは認められます。

赤字の年に償却費を計上しないという判断は、制度上できます。翌期以降に繰り越して償却するので、費用の総額は変わりません。

限度額より少なく計上した差額を償却不足額といい、翌期以降の限度額に加算されるわけではありません。単に償却が遅れるだけです。

限度額を超えて計上した場合は償却超過額となり、申告書で加算します。翌期以降、限度額に余裕が出た年に認容されます。

金融機関から見た償却不足と、個人事業主の強制償却

償却を止めると利益は増えますが、決算書を見る側はそれを見抜きます。減価償却明細と損益計算書を突き合わせれば、限度額との差が分かるためです。

利益を作るために償却を止めた決算書は、引き直して評価されることが多いところです。表面の利益より、実態が見られます。

個人事業主の減価償却は強制です。計上しなければ、その分の費用は失われます。

赤字だから今年は償却しない、という調整はできません。

計算でつまずきやすい5つの場面

結論: 減価償却の計算でよく起きる誤りは、耐用年数の判定・使用開始日・中古資産の端数処理・取得価額に含める費用・資本的支出との区分の5つです。

よくある誤りと、確認する場所
01
耐用年数の判定
同じ機械でも用途で年数が変わる。耐用年数省令の別表を、業種と細目まで見て引く
02
使用開始日
納品日や支払日ではなく、事業に使い始めた日が起点。検収書や稼働記録で確認する
03
中古資産の端数
1年未満は切り捨て、2年に満たない場合は2年。切り上げてしまう誤りが起きやすい
04
取得価額に含める費用
引取運賃・据付費・試運転費は取得価額に含める。別途費用にすると償却額が小さくなる

5つの場面を表で押さえる

計算そのものは算式に当てはめるだけですが、算式に入れる数字を取り違えると結果は合いません。誤りが起きるのは、決まって同じ5か所です。多くは特別な知識の有無ではなく、確認する場所を毎回同じ手順で通しているかどうかで差が出ます。どこを、何で確認するかを一覧にしておくと、固定資産台帳を作るときの点検表として使えます。

つまずく場面 よくある誤り 確認するもの
耐用年数の判定 似た資産の年数を流用する 耐用年数省令の別表(種類・構造・用途・細目)
使用開始日 納品日から償却を始める 検収書・稼働記録・写真
中古資産の端数 2.8年を3年に切り上げる 切り捨てて2.8年→2年
取得価額 据付費を別に費用計上する 請求書の内訳
資本的支出との区分 大規模修繕を全額修繕費にする 支出の内容と効果の及ぶ期間

台帳を作るときは、この5項目を1行ずつ潰していく形にすると、あとから見返しても抜けが分かります。

資本的支出は別の資産として扱う

既存の資産に対する資本的支出は、原則としてその支出額を取得価額とする新たな資産を取得したものとして償却します。元の資産の帳簿価額に足し込む方法もありますが、選択の余地があるところです。

修繕費との区分は金額だけでは決まりません。資産の価値を高めたか、使用可能期間を延ばしたかが判断の軸になります。

事例:耐用年数の台帳を作り直した会社

「昔から使っている機械の償却費が、去年から急に変わったと言われました」。従業員40名の製造業から、こんなご相談をいただきました。

固定資産台帳を見ると、平成20年に取得した機械と平成26年に取得した機械が、同じ耐用年数10年で並んでいました。ところが償却率が両方とも0.250で入力されています。

平成24年3月31日以前の取得なら250%定率法で0.250、それ以後なら200%定率法で0.200です。古い機械の率が新しい機械にも引き継がれていました。前任者が台帳をコピーして使い回していたことが原因です。

まず、取得年月日で資産を2つのグループに分けました。平成24年4月1日を境に、適用する償却率・改定償却率・保証率をすべて引き直しています。

次に、耐用年数そのものを別表と突き合わせました。用途の判定が違っていた資産が3件見つかり、うち1件は5年短い年数が使われていました。

3つ目は、台帳の入力ルールを文書にしたことです。取得年月日・事業供用日・耐用年数の根拠(別表の何番か)を必ず入力する欄を作りました。

修正の結果、当期の償却費は約80万円変わりました。過年度分については金額と件数を確認したうえで、税理士と処理を決めています。

よくある質問

定率法の償却費が途中の年から増えたのですが、計算が間違っているのでしょうか?
償却保証額による切り替えが起きたためで、正しい動き方です。調整前償却額が償却保証額を下回った年から、改定取得価額に改定償却率を掛ける算式になります。切り替えの年は前年より金額が増えることがあります。
4年落ちの中古車は2年で償却できると聞きました。これは本当でしょうか?
簡便法で計算すると、普通自動車なら耐用年数は2年になります。法定耐用年数6年から経過年数4年を引いた2年に、経過年数4年の20パーセントである0.8年を足して2.8年、1年未満を切り捨てて2年です。ただし事業に使った年度でしか算定できません。
3月決算の会社が3月に設備を買った場合、どのくらい費用にできますか?
12分の1です。100万円・耐用年数8年の設備を定率法で計上すると、1年分は25万円ですが、そこに12分の1を掛けた約2万円になります。期末の設備投資は、支出の割に計上できる額が小さくなります。
赤字なので今期は減価償却を計上したくないのですが、可能ですか?
法人であれば可能です。償却限度額は上限を示すもので、その範囲内であればいくら計上しても構いません。ただし決算書を見る金融機関は限度額との差を確認するので、実態は見られると考えておいてください。個人事業主は強制償却なので、この選択はできません。
定額法から定率法へ変更したい場合、どうすればいいですか?
変更しようとする事業年度の開始の日の前日までに、承認申請書を提出します。届出ではなく承認なので、税務署長の判断が入ります。期首を過ぎてから申請しても、その事業年度からは変更できません。

まとめ:切り替えの仕組みを知れば数字が読める

減価償却の計算そのものは掛け算です。定額法は取得価額×償却率、定率法は期首の未償却残高×償却率。難しいのは、定率法に途中から別の算式が入る点だけです。

優先して押さえるなら、償却保証額と改定償却率の意味です。この2つが分かれば、ソフトが出した数字が正しいかどうかを自分で判断できます。

やらなくてよいこともあります。すべての資産の計算を手で検算する必要はありません。取得年月日が平成24年4月1日をまたぐ資産と、中古資産だけを見れば、誤りの大半はそこに集まっています。

次の一歩として、固定資産台帳を取得年月日順に並べ、平成24年3月31日以前と以後で償却率が分かれているかを確認してみてください。同じ率が並んでいたら、台帳の作り直しが要ります。

耐用年数の判定や資本的支出との区分は、金額が大きくなるほど影響も大きくなります。判断に迷う場面では、税理士法人Light UPへご相談ください。会社ごとの資産の内容に合わせて整理しています。

節税のご相談は初回無料です。実際の数字を見ながら、自社の場合はどうなるかをそのままお話しできます。

出典

  • 国税庁 タックスアンサー No.5410「減価償却資産の償却限度額の計算方法(平成19年4月1日以後取得分)」
  • 国税庁 タックスアンサー No.5404「中古資産の耐用年数」
  • e-Gov法令検索「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」別表第八・別表第九・別表第十
  • e-Gov法令検索「法人税法」第31条、「法人税法施行令」第48条の2・第56条・第61条

【メタディスクリプション】
減価償却費の計算方法を、定額法と定率法それぞれの算式と国税庁の計算例で整理しました。定率法の償却保証額と改定償却率による切り替え、償却率表、期中取得の月割り、中古資産の簡便法まで解説します。

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