法定調書合計表の書き方を解説|令和8年分の記入と提出期限

監修税理士法人Light UP 代表社員(税理士) 中村 清誉

法定調書合計表は、税務署に出す源泉徴収票や支払調書を種類ごとに集計して1枚にまとめ、法定調書と一緒に出す書類です。令和8年分の提出期限は令和9年2月1日(月)で、翌年1月31日が日曜日にあたるため、期限が翌日になります。令和8年分から変わるのは給与の欄です。市区町村に給与支払報告書を出せば、給与所得の源泉徴収票を税務署に出したものとみなされ(源泉徴収票のみなし提出の特例)、合計表の給与の欄は書かなくなります。退職金・報酬・不動産の調書を出す会社は、その欄を引き続き書きます。この記事では、欄ごとの書き方、間違えやすい点、調書の金額基準、提出期限と電子提出の義務、作る順番を、国税庁の手引きなどの公表資料(2026年10月時点)に沿って整理します。

法定調書合計表の書き方は?

結論: 法定調書合計表は、出す法定調書の種類ごとに、人員・支払金額・源泉徴収税額を6つの欄へ集計して書きます。令和8年分の給与の欄は、市区町村に給与支払報告書を出す会社なら書きません。

6つの欄に書く内容

正式名称は、給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表です。6種類の法定調書に1つずつ欄があり、出す調書の欄だけを書きます。

欄 書く調書 書く内容
1 給与所得の源泉徴収票 Ⓐ俸給、給与、賞与等の総額に、給与を支払った人の人員・支払金額・源泉徴収税額を書く。Ⓑ源泉徴収票を提出するものに、税務署に出す分を書く。令和8年分は、市区町村に給与支払報告書を出すなら書かない
2 退職所得の源泉徴収票 Ⓐ退職手当等の総額と、Ⓑそのうち源泉徴収票を提出するものの両方に、退職手当等の支払を受けた全員を書く
3 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書 原稿料・講演料、弁護士・税理士等の報酬、外交員報酬など区分ごとに、個人と個人以外に分けた人員、支払金額、源泉徴収税額を書く
4 不動産の使用料等の支払調書 Ⓐ使用料等の総額と、Ⓑそのうち支払調書を提出するものを書く
5 不動産等の譲受けの対価の支払調書 Ⓐ譲受けの対価の総額と、Ⓑそのうち支払調書を提出するものを書く
6 不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書 あっせん手数料の総額と、そのうち支払調書を提出するものを書く。他の調書の摘要に書いて省略した分は、合計表の摘要に支払先の人員と合計額を書く

国税庁の手引きは、各欄の総額(Ⓐ)を、実際に提出する調書の分だけで書いても差し支えないとしています。

表の上の共通の欄

表の上部には、次の欄があります。

  • 年分:令和8年分のように、提出する法定調書の年分を書く
  • 提出年月日・提出先税務署:出す日と、所轄の税務署を書く
  • 支払者の欄:個人番号または法人番号、住所または所在地、氏名または名称、電話番号を書く
  • 調書の提出区分:新規は1、追加は2、訂正は3、無効は4
  • 提出媒体:調書の種類ごとに、電子は14、書面は30のコードを書く

給与の欄を書かない場合

令和8年分の源泉徴収票は、令和9年1月1日以後に出すものにあたります。国税庁のQ&Aによると、給与支払報告書を市区町村に出した場合は税務署に出したものとみなされ、税務署への源泉徴収票の提出も、合計表の提出も不要です。ただし合計表は6種類の調書の兼用様式のため、退職所得の源泉徴収票など給与以外の5つのうち1つでも税務署に出すときは、合計表を出します。その合計表には実際に出す調書だけを書き、給与の欄は書きません。

令和8年分の合計表を出すかどうか
給与の調書だけの会社
給与支払報告書を市区町村に出す
源泉徴収票は税務署に出したものとみなされる
合計表は出さない
受給者への源泉徴収票の交付は必要
退職金・報酬・不動産の調書も出す会社
その調書を税務署に出す
合計表を出す
合計表の給与の欄は書かない
給与支払報告書は市区町村に出す

給与の源泉徴収票を税務署に出す会社が給与の欄を書くときは、Ⓐ俸給、給与、賞与等の総額の人員に、給与を支払った全員を書きます。Ⓐの2段下にあるⒷ源泉徴収票を提出するものには、税務署に出す分だけを書きます。令和8年分は税務署に出す範囲が給与支払報告書と同じになったので、両者の差は小さくなっています。

法定調書合計表の書き方でよくある間違いは?

結論: 間違えやすいのは、人員の数え方、令和7年分までの基準での判定、法人への支払いの扱い、給与支払報告書の出し忘れの4つです。どれも調書の出し漏れや出し直しにつながります。

年明けに、前の年の合計表をなぞって書いてしまい、退職金の調書や報酬の支払調書が抜けていたと気づいて相談に来られる方が少なくありません。

人員の数え方

給与の人員は、給与を支払った実人員です。国税庁の手引きは、通常は源泉徴収簿の枚数に合うとしています。毎月の納付書に書いた人員を累計した数は書きません。丙欄を適用する日雇労務者は、人員に含めません。報酬の欄も同じで、同じ人に何回払っても1人と数え、個人と個人以外に分けます。

令和7年分までの基準での判定

令和7年分までは、給与の源泉徴収票を税務署に出すのは、年末調整をした人なら役員が150万円超、弁護士等が250万円超、それ以外が500万円超などの基準でした。退職所得の源泉徴収票も、役員分だけが対象でした。令和8年分はどちらも広がっています。前の年の基準で人員を数えると、Ⓑの人員も退職の欄も足りなくなります。

法人への支払いの扱い

報酬の支払調書は、法人に払ったものでも、源泉徴収をしていなくても、提出範囲に入れば出します。デザイン会社や外注先への支払いが、これに当たる場合があります。

不動産の使用料等は逆です。法人に家賃や賃借料だけを払っている場合は、支払調書を出しません。権利金や更新料があるときは、その分が対象です。管理会社に家賃を払っていても、物件の所有者が個人なら、個人に払う使用料等として年間15万円超かどうかを見ます。

給与支払報告書の出し忘れ

みなし提出は、市区町村に給与支払報告書を出して初めて成り立ちます。逆に、源泉徴収票を税務署に出しても、市区町村に出したことにはならないため、給与支払報告書は別に出します。給与の欄を書かない会社ほど、市区町村への提出の確認が先です。

消費税を含めた金額での判定

提出範囲の金額は、原則として消費税及び地方消費税の額を含めて判定します。請求書などで税額が明確に区分されているときは、含めないで判定しても差し支えありません。

出し漏れに気づいたときは、調書の提出区分を追加の2にして、後から出します。1年分の支払いが分かる元帳をご用意いただければ、令和8年分の基準で出す調書と、合計表の人員・金額を確かめます。

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提出が必要な法定調書の金額基準は?

結論: 令和8年分の給与所得の源泉徴収票は、年の途中で退職した人で支払金額が30万円以下の人を除き、全員が対象です。報酬の支払調書は同じ人への年間5万円超、不動産の使用料等は15万円超が基準です。

給与と退職金

給与所得の源泉徴収票は、令和8年中に給与を払った人のうち、年の途中で退職した人で令和8年中の支払金額が30万円以下の人を除く全員分を税務署に出します。給与支払報告書の提出範囲と同じです(国税庁の手引き)。ただし、受給者への交付は全員に必要で、期限は令和9年2月1日です。年の途中で退職した人には、退職の日以後1か月以内に渡します。

退職所得の源泉徴収票は、令和8年分から提出省略の範囲がなくなり、退職手当等の支払を受けた全員分を税務署に出します。

報酬・料金と不動産関係

報酬の支払調書と不動産関係の3つの調書は、同じ人に対する令和8年中の支払金額の合計で判定します。

調書 提出範囲(令和8年中の支払金額の合計)
報酬、料金、契約金及び賞金(原稿料、講演料、弁護士・税理士・社会保険労務士等の報酬など) 5万円超
報酬、料金(外交員、集金人、ホステス等、広告宣伝のための賞金) 50万円超
馬主が受ける競馬の賞金 1回の支払賞金額が75万円超の人に払った、その年のすべての支払金額
不動産の使用料等 15万円超。法人に払う場合は、賃借料を除く権利金・更新料等だけ
不動産等の譲受けの対価 100万円超
不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料 15万円超

不動産関係の調書を出すのは、法人と、不動産業者である個人です。

法定調書の提出期限と提出方法は?

結論: 令和8年分は令和9年2月1日(月)までに、法定調書と合計表を所轄税務署へ出します。令和9年1月以後に出す調書は、前々年の提出枚数が30枚以上の種類を電子で出す義務があります。

提出期限

法定調書の提出期限は、原則として支払が確定した年の翌年1月31日です。令和8年分は令和9年1月31日が日曜日のため、国税庁の手引きは令和9年2月1日(月)までとしています。給与支払報告書の期限も同じ日です。

退職所得の源泉徴収票は退職後1か月以内が原則ですが、令和8年中に退職した人の分をまとめて令和9年2月1日までに出しても差し支えありません。

電子提出の義務

前々年(基準年)に提出すべきだった法定調書の枚数が30枚以上の種類は、e-Tax、認定クラウド等、光ディスク等のどれかで出す必要があり、書面では出せません。判定は法定調書の種類ごとです。

調書を出す時期 電子提出が義務になる基準
令和8年12月31日まで 前々年の枚数が100枚以上
令和9年1月1日以後 前々年の枚数が30枚以上

令和7年中に出した枚数が30枚以上の種類は、令和9年に出す分から電子での提出が必要です。給与の源泉徴収票の枚数は、令和9年1月以後も改正前の提出範囲で数え、みなし提出になった分も含めます。

出し方と書面の様式

調書と合計表は、e-Taxのソフト(WEB版)でまとめて作って出せます。e-Taxを使うには、先に所轄税務署へ開始届出書を出して利用者識別番号を取る手続きが要ります。

書面で出すときは、令和8年の国税システムの更改に伴い様式が変わっているため、国税庁のホームページから最新の様式を取って使います。郵送するときは、税務署の業務センター宛に送ります。

法定調書合計表を作る順番は?

結論: 年末調整を終えて源泉徴収簿を締めてから、給与の人数、支払調書の対象、各調書、合計表の順に作ります。合計表は最後に、出す調書の集計として書きます。

合計表を作る4つの工程
1

年末調整を締める
源泉徴収簿を確定させ、給与の実人員を出す
2

支払調書の対象を洗い出す
総勘定元帳の摘要まで見て、支払先ごとの年間合計を出す
3

各調書を作る
基準を超えた支払先と、退職手当等の全員の調書を作る
4

合計表を書いて出す
出す調書の欄だけ書き、給与支払報告書は市区町村に出す

作る順番

給与は、年末調整が終わらないと人員も金額も確定しません。支払調書の洗い出しは、年末調整と並行できます。

税理士が帳簿で確かめる点

税理士は、支払報酬・支払手数料・外注費・地代家賃の総勘定元帳を、科目名でなく摘要まで開いて、個人や士業、デザイナーなどへの支払いを拾います。そのうえで、前の年の合計表と今年の欄を並べ、欄の抜けや、基準の変更による人員のずれがないかを確かめます。法人に払った家賃は、権利金や更新料の有無を契約書で見ます。

よくある質問

給与だけの会社でも、合計表を出しますか?
令和8年分から、給与支払報告書を市区町村に出せば、税務署への源泉徴収票の提出も合計表の提出も不要です。退職所得の源泉徴収票や報酬の支払調書など、給与以外の調書を税務署に出すときは、合計表を出します。
令和7年分の源泉徴収票を出し忘れていたら、どう出しますか?
みなし提出の特例は令和8年分以後が対象です。令和7年分は、源泉徴収票を税務署に、給与支払報告書を市区町村に、それぞれ出します。
令和8年に退職した人の源泉徴収票も、みなし提出の対象ですか?
令和9年1月1日以後にまとめて出すなら、対象です。法令上は退職の日以後1か月以内に出す決まりですが、運用上、翌年1月末までにほかの源泉徴収票とまとめて出してよいとされています。
市区町村に出した給与支払報告書に誤りがあったら、どうしますか?
eLTAXで出した分は、提出区分を訂正にして再度出します。訂正した内容も税務署に出したものとみなされるため、税務署に別途出す必要はありません。書面や光ディスク等で出した分の訂正方法は、市区町村ごとに異なります。

まとめ:出す調書を決めてから書こう

  • 法定調書合計表は、出す法定調書の集計表。令和8年分の期限は令和9年2月1日(月)
  • 給与の欄は、市区町村に給与支払報告書を出せば書かない。退職・報酬・不動産の調書を出すときは、合計表を出す
  • 令和8年分は、給与も退職も税務署に出す範囲が広がった。報酬は5万円超または50万円超、不動産の使用料等は15万円超が基準
  • 令和9年1月以後に出す調書は、前々年の枚数が30枚以上の種類を電子で出す

令和8年分から変わる給与の扱いと電子提出の義務を、自社の場合で確かめたい方、支払調書の対象を洗い出す余裕がない方は、税理士法人Light UPの無料相談をご利用ください。直近の総勘定元帳と前年の合計表を確認し、令和8年分の対象と提出方法を整理します。

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出典

  • 国税庁「令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」
  • 国税庁「源泉徴収票のみなし提出の特例 特設ページ」
  • 国税庁「源泉徴収票(給与所得・公的年金等)のみなし提出の特例に関するQ&A」(令和8年4月)
  • 国税庁 タックスアンサー No.7400「法定調書の提出義務者」
  • 国税庁 タックスアンサー No.7411「『給与所得の源泉徴収票』の提出範囲と提出枚数等」
  • 国税庁 タックスアンサー No.7431「『報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書』の提出範囲と提出枚数等」
  • 国税庁 タックスアンサー No.7455「法定調書の提出枚数が30枚以上の場合のe-Tax、光ディスク等又は認定クラウド等による提出義務」

この記事の監修者

中村 清誉

中村 清誉

税理士法人Light UP 代表社員(税理士)

近畿税理士会 尼崎支部 登録番号 5957(税理士法人Light UP)

2013年に税理士事務所を創設。2019年からは会計・コンサルティング・M&Aの支援へ業務を広げ、現在は職員70名の体制で中小企業の税務と経営を支えています。

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